2009/12/31

ドノゴトンカ 辻潤特集

 二十九日(火) わめぞ忘年会。アミ。その前に往来座で正宗白鳥の本をu-sen君のところから買う。いいちこのボトル飲み。なぜか、どんどん濃くなる。来年、おもしろくなりそうだなとおもう。おもしろくなるとおもう。
 地下鉄で帰ろうとしたら、終電が行ってしまった。結局、日高屋に流れる。
 タクシー、ネギィとバタやん(東川端三丁目)と同乗。深夜二時半帰宅。鍵を忘れた妻、玄関の前で寝ている。

 三十日(水) コクテイル。前野健太ライブに行くと、すでに五十人くらい客が来ていて、入れず。午後十一時半、また行く。アスペクトの前田君と話す。三年前の十二月に大阪から上京した。忘れていたのだが、わたしが「とりあえず、東京に来い」といったらしい。
「ライブテープ」の松江監督も来ていた。閉店前にマエケン、「熱海」を熱唱。

『ドノゴトンカ』(0・5号/創刊前夜号)の「特集 辻潤 遺墨」が届く。まちがいなく、永久保存版。

・編集 扉野良人
・校正 郡淳一郎 木村カナ
・辻潤作品撮影 藤井豊
・表紙テキスト翻訳 細馬宏通 野中モモ
・書容設計 羽良多平吉 米倉みく@EDiX
・発行人 井上迅

・辻潤 遺墨
・反重力の書法 山本精一×細馬宏通
・辻潤の遺墨書画について 久保田一
・辻潤と吉行淳之介 荻原魚雷
・×と○ 細馬宏通
・辻潤と稲垣足穂と附・正岡蓉「新花鳥文人往来」 高橋信行
・「ゼロ」への憧れ 『大菩薩峠』を読む辻潤 野口良平
・居候論 辻まことからみた父親辻潤 大月健
・辻潤年譜 作成 高木護 菅野青顔 再編 扉野良人

・歩兵の物語 季村敏夫『山上の蜘蛛 神戸モダニズムと海港都市ノート』書評 内堀弘
・樹木の墓標 内堀弘『ボン書店の幻 モダニズム出版社の光と影』書評 季村敏夫

 発行所 りいぶる・とふん 定価1000円(税込)

2009/12/25

ロクデナシの唄

 京都、恵文社一乗寺店の「冬の大古本市」が開催中です(二〇〇九年十二月二十二日〜二〇一〇年一月六日、一月一日は休み)。
 わたしも「文壇高円寺古書部」として出品しました。

 今月、恵文社からは『みんなの古本500冊 もっと』も刊行。売り切れ必至です。

 一年早いなあ、とおもうが、十年は長い。
 三十歳のときに四十歳の自分は想像できなかった。

 先週、高円寺のショーボートで開催された年末恒例のギンガ・ギンガ(しゅう&トレモロウズ、オグラ、ペリカンオーバードライブ)を見てきた。素晴らしいライブだった。
 人生の先輩たちと朝の五時くらいまで飲んで、翌日、酒くさくすごした。「こういう日が、年に一日でもあったら、それでいいや」とおもうくらい楽しかった。

 ペリカンオーバードライブの「ロクデナシの唄」がユーチューブにアップされています。
http://www.youtube.com/watch?v=Vfndi8J0oaU

 ほんとうにいいバンドだとおもうのだけどなあ。やる気さえあれば。

 夜、コクテイルで飲む。移転先(高円寺)も決まって一安心。カウンターに朝日新聞の夕刊(二十五日)があり、見ると松江哲明監督の「ライブテープ」の記事が出ていた。今年の元旦、武蔵野八幡宮から吉祥寺の井の頭公園まで、前野健太さんが町の中で歌い歩き、最後にステージでバンドと合流して演奏するまでを一カットで撮った映画で、東京音楽映画祭の「日本映画・ある視点」部門作品賞受賞作。

 明日二十六日(土)から吉祥寺バウスシアターなどでレイトショー。
 見に行かねば。

2009/12/16

雑記

 年末進行中ではあるが、一日十時間ちかく寝ている。長年の経験で、睡眠時間を削っても仕事がはかどるわけではないことをいやというほど学んだ。

 中野ブロードウェイの四階の記憶に行く。深沢七郎著『人間滅亡の唄』(徳間書店)を買う。新潮文庫版はもっているのだが、単行本もほしくなってしまったのである。
 同じ階のまんだらけのマニア館にも寄る。
 赤塚不二夫の『ギャクほどステキな商売はない』(廣済堂出版)を買う。
 廣済堂の「コミックパック」シリーズは、名作揃いだ。いつかコンプリートしたい。しかし高いものだと五千円以上(まんだらけ相場)する。

 はなまるうどんで昼メシ。薬局で胃腸薬とばんそうこうを購入して、家に帰る。

 カラスヤサトシ『キャラ道』(竹書房)を読む。
 帯に「自分漫画ブームは多分そろそろ終わるよ!」(東村アキコ)とある。
 頁をめくると、「またご自身が登場するマンガですか」「ずっと身の切り売りだけしていくおつもりですか?」「マンガはキャラです! 想像力です!!」という担当編集者のセリフが出てくる。

 カラスヤサトシは「キャラ」が描けないことをそのまま「自分漫画」にしている。
 捨て身の姿に心を打たれた。

 とはいえ、今、漫画を読んでいる場合ではない。

 一段落ついたら仕事のやり方を考えなおしたい。

2009/12/10

のだめ最終巻(?)

 この冬はじめて「温楽」を貼る。
 体調をちょっと崩してしまい、黒豆と豆腐の雑炊を作る。
 一日中寝たきりですごす。

 二ノ宮知子の『のだめカンタービレ』(講談社)の二十三巻を読む。とうとう最終回をむかえた。ほんとうに終わったのか。予想していた結末とはちがった。
 最後は千秋とのだめが日本に帰ってきて、RS(ライジングスター)オーケストラで共演……というカタルシスたっぷりのお約束の大団円を期待していた。
 一巻から読み返すことにした。

 完璧主義の天才千秋真一と野生味あふれる天才野田恵(のだめ)だけでなく、ヴァイオリンの腕はそれほどでもないが、「やる気120%」の峰龍太郎も重要な存在だったことにあらためて気づく。

 音楽の才能とは別に、「場」を作る才能がある。
 RSオーケストラは、飛行機(船も)恐怖症で海外に行けず、くすぶっていた千秋、就職難その他で活躍の場のない若い音楽家たちにとって、大切な「場」だった。「場」を作り、持続させていくためには、おそらく峰のような、おもいこみの激しい「バカ」が必要なのである。

 パリに行った千秋はプロになっていて、日本にいたころの欠点はほぼ克服されている。
 あるていど成長してしまった主人公が、もっと上のレベルを目指すという展開は、どうしても行きづまりやすい(※水島新司の『ドカベン』のプロ野球編など)。

 作者はそのことをわかった上で、そのむずかしさを描こうとした。偉業といってもいい。雑誌の屋台骨を支えていた連載だっただけに続けざるをえなかったのかもしれないが。印象に残るシーンやセリフは巻数の少ない国内編のほうが多い。海外編は、調べて描かないといけないことが増えすぎて、遊び(デタラメ)の要素が減ってしまったからだとおもう。

 もし千秋とのだめがパリに行ったあとの峰を中心としたRSオーケストラの日々を描いた「番外編」(※出るという噂がある)が出たら読んでみたい。

2009/12/02

ここ数日のこと

 日曜日、高円寺南口のハチマクラでオグラさんのライブを見る。楽器はインチキ手回しオルガンではなく、ウクレレ(第一部)。
 座れないくらい満員。ちゃんと予約(したつもりだったが、電話での口約束)せずに行ってしまい、申し訳なかった。
 青ジャージのころの曲がよかった。
 途中、休憩時間で抜け、コクテイルでやっているアホアホ本の中嶋大介くんのスライドショーに行く。変な本をとぼけた口調でよどみなく紹介する。そこがまたおかしい。
 本職はデザイナーでインターネットの古本屋もやっていて、文章も書いているのだけど、テレビやラジオの仕事も行けそうなかんじがする。

 その後、雑司ケ谷でポエトリーカフェ(尾形亀之助と草野心平)をやっていたPippoさんが合流する。

 月曜、火曜がまたたく間にすぎる。
 たぶん年末進行に突入。部屋の掃除ができず、床に資料と本が散乱。

 疲れをためないようにする。きっちり睡眠をとる。寝すぎて頭がまわらなくなる。

 仕事のあいまに、茅原健著『新宿・大久保文士村界隈』(日本古書通信社)と目白学園女子短期大学国語国文科研究室『落合文士村』(双文社出版)を再読する。

 大久保、東中野はおもしろい。尾形亀之助もこの界隈でよく飲んでいた。