2012/01/13

ハイチのこと

……昨日(十二日)の夕刊に「ハイチ大地震から二年」という記事があった。

 すっかり忘れていた。おぼえてなかったといってもいい。
 二年前の大地震で人口約一千万人のハイチで約三十万人が亡くなっている。今でも仮設住宅ではなく、仮設テントで暮らしている人が約五十五万人いる(ピーク時はその三倍だったらしい)。地震後、五十万人以上の人がコレラに感染したという。

 日本の社会は恵まれているなあとおもう。恵まれているからこそ、いろいろなことを心配する余裕がある。
 比べるのもヘンだが、自分の関心は「東日本大震災>ハイチ大震災」ということになる。さらにいうと、「自分の生活>東日本大震災」でもある。
 たいていのニュースは知らなければ知らないままだし、知ったとしてもすぐ忘れてしまう。

 あらためて自分の関心と無関心の境界はどのへんにあるのだろうということを考えた。

 知らず知らずのうちに、世界のキリのなさにたいして、自分なりに線を引いている。本屋に行っても、自分の興味のない棚の前は素通りし、背表紙すら見なくなる。
 分別というか、処世の知恵のようなものでもあるけど、そればっかりだと、際限のない現実に抗っていく力や好奇心が衰えていく気がする。