土曜夕方、西部古書会館。『イメージの冒険1 地図 不思議な夢の旅』(河出書房新社、一九七八年)、『鳩よ!』特集「山本周五郎」(一九九二年九月号)、『もう一度読みたい あの記事あのエッセイ 「文藝春秋」昭和・平成傑作選』(文藝春秋、二〇〇七年、非売品)、『田島征三 '80〜展』(中村正義の美術館、一九八九年)、『谷川晃一展 南の庭のアトリエ』(三鷹市美術ギャラリー、二〇一一年)、小林惟司著『寺田寅彦の生涯』(東京図書、一九七七年)など。
この二ヶ月、西部古書会館に行くと、何かしら寺田寅彦の本を買っている。『寺田寅彦の生涯』によると、寅彦は「あきれるほどの甘党」で、そのことが寿命を縮めたのではないかといった記述もある。
寺田寅彦は一八七八年十一月生まれ、一九三五年十二月没、享年五十七。今の感覚だと五十代で亡くなるのは早くおもえるが、一九三〇年代の男性の平均寿命は五十歳以下だった。長生きではないが、それほど早死でもない。
寅彦の随筆「科学者とあたま」(一九三三年)を電子書籍で読む。発表時、五十四歳。文中に「老科学者の世迷い言」という言葉も出てくる。
科学者になるには「あたま」がよくないといけない、同時に「あたま」が悪くないといけない——という話。
《いわゆる頭のいい人は、言わば足の早い旅人のようなものである。人より先に人のまだ行かない所へ行き着くこともできる代わりに、途中の道ばたあるいはちょっとしたわき道にある肝心なものを見落とす恐れがある。頭の悪い人足ののろい人がずっとあとからおくれて来てわけもなくそのだいじな宝物を拾って行く場合がある》
年をとったせいか、何事もゆっくり、のろのろ、ぐだぐだやりたい気持になっている。歩くこともそう。読書もそうありたい。
とりあえずわからないことは保留する。一人合点に気をつける。門外漢であることを自覚する。
この日は小雨。馬橋公園経由で妙正寺川を散歩する。馬橋公園で若者二人組が漫才の練習をしていた。夜道で身長二メートルくらいの大男に出会う話。オチは聞いていない。マルエツ中野若宮店で金トビの名古屋きしめん、惣菜を買う。金トビの名古屋きしめんは茹でたときに麺がくっつきにくい。西武新宿線鷺ノ宮駅周辺にはマルエツ、オーケー、いなげやなどのスーパーがあるが、高円寺と比べるといずれも店舗が大きい。自炊中心の生活を送っている人には暮らしやすい町だとおもう。
日曜日、昼すぎ新高円寺の青梅街道を散策する。梅里中央公園に行く。家を出る前に地図を見たが、道に迷う。梅里中央公園は臘梅(ロウバイ、中国原産)で有名らしい。臘梅の実を見る。梅里は寺がけっこうある。帰りにいなげや(ina21杉並新高円寺店)に寄る。たけのこのおこわを買う。