2026/07/03

天気痛

 雨の日はいつもとちがう時間に眠気が起きやすい。睡眠時間がズレる。妙な夢を見る。そういう研究があるのかどうか。

 中野区大和町の仕事部屋の掃除中、横尾忠則著『彼岸に往ける者よ』(文藝春秋、一九七八年)の背表紙が目に飛び込んできたので再読する。
 横尾忠則は一九三六年六月二十七日生まれ。つい先日、九十歳になったばかり。
 適当に開いた頁(日記)に「天気が悪い(梅雨)せいか頭が痛い」という一文があった。日付は六月二十八日。刊行年と同じ年と考えると四十二歳。当時の横尾忠則は不眠に悩んでいた。

 日記は愚痴が面白い。横尾忠則は自身の日記を「エゴのゴミ箱」といっている。

 わたしも雨の日、頭痛+船酔いみたいな感じになることがある。あと肩こりもひどくなる。今は右の手首が痛い(湿布を貼っている)。

 梅雨の時期、頭痛や肩こりになるのは低気圧、高湿度など、天候不順のせいだろう。内耳(耳の奥)が気圧の変化を感知しやすい人がいる。
 そういう人は低気圧のときに調子を崩しやすい(症状の軽重には個人差がある)。「天気痛」という呼び名もある。

 湿度が高いと体内の水分が汗として蒸発しないせいで血行不良になる。これが疲れや怠さにつながる。肩こりもそう。

 散歩のとき、メッシュのウォーキングシューズを愛用しているのだが、雨の日は防水仕様の靴を履いている。いつもの靴ではないから、足が怠くなるのかとおもっていたのだが、気圧や湿度が原因かもしれない。

 このブログで高円寺周辺の路上から東京スカイツリーやドコモタワーを探す話をよく書いているが、遠くを見るのは精神衛生によい。ちょっとした気晴らしになる。

 雨の日は視界がよくない。そのことがストレスになっている可能性もある。遠くが見えないかわりに、樹木の多い遊歩道や神社や公園に行く。
 それから川や海など、水辺(ブルースペース)の景色を見ると、頭の疲れがとれたり、緊張が和らいだりする効果がある。
 樹木の揺れ、水面のゆらぎや光の反射などを見ると心が落ち着くという研究もあるようだ。大雨や台風のときに川に行かないように気をつけたい。

 以前、低気圧の片頭痛のときにカフェインを摂取するといい(飲み過ぎに注意)——という記事を読んだ。わたしはやる気がでないとき、疲れがとれないとき、豚のレバー、もしくは鰹や鮪のたたきが食べたくなる。

 夕方、高円寺の庚申通りの豊島屋(前の建物が取り壊されて、通りの奥に移転したばかり)でレバーとカシラの焼き鳥を買う。

2026/06/30

ハンゲショウ

 先週は雨続き。変則睡眠期も続いている。新宿で飲んだ帰り道、財布と本をなくす夢を見る。夢の中で焦りまくる。夢でよかった。現実には三十年以上、財布を落としていない。

 桃園川緑道を通り、中野に行ったり阿佐ケ谷に行ったりの日々。東高円寺から環七の手前あたりの桃園川緑道の花壇でドクダミ科のハンゲショウを見る。まだ葉は緑。季節の半夏生は夏至の十一日目だから、まもなくか。
 蚕糸の森公園近くのマルエツプチ東高円寺駅前店が六月十八日(木)にオープンした。マルエツは夜の割引タイムによく行く。

 街道の研究をはじめて以来、あちこちの宿場町を訪れたが、雨の日は歩かなくなった。降雨時は遠くが見えず、景色を楽しめない。人があまり歩いていないので車も怖い。そういう日は図書館や郷土資料館などに行く。

 六月二十七日(土)から西部古書会館は大均一祭。初日二百円、二日目百円、三日目五十円で五十冊。古地図、万葉集の本、焼物の本、古雑誌、漫画……。
 初日は午前十一時台、『滑稽とペーソス 田河水泡“のらくろ”一代記展』(町田市民文学館ことばらんど、二〇一三年)など。田河水泡は詩もいい。
 二日目は昼すぎ、『飛ぶ教室』特集「まど・みちおのふしぎなポケット」(二〇〇八年秋号、光村図書)が買えてよかった。まど・みちおは百四歳まで生きた。最晩年まで詩を書いたり、絵を描いたりしていた。

 その日、買った本、読んだ本によって書くものが変わる。行き当たりばったり。そのほうが書いていて楽しい。書き終わってからいい資料が見つかることもよくある。

 三日目の均一祭は遅い時間に行ったが、一冊五十円に浮かれて、ちょっとでも気になった本(古文の参考書など)をカゴに入れていたら、片手で持ち上がらないくらいの重さになった。会計で「千三百円」といわれ、あまりの安さに戸惑う。

 目標が定まらない雑読人生。種をまかずに畑を耕し続けている気分である。バラバラに散らばった点をどうにかつないでいきたい。自分にしかわからない謎の絵になりそうな予感がする。

2026/06/26

人と作品

 雨続き。湿度が高い。眠りが浅い。万葉集を読む日々。毎日、山上憶良のことを考えている。先週、電車で荻窪に行った。総武線のホームの端(阿佐ケ谷駅寄り)から富士山が見えた。古書ワルツで『唯一者』(『唯一者』発行所)の創刊号(一九九七年)など、雑誌を何冊か買う。

 morc阿佐ヶ谷で上映していた『怪獣と老人』は連日盛況だった。二十四日(水)の上映後のトークショーもどうにか無事終了(劇団ひとりさんが登壇し、盛り上がる)。
 阿佐ケ谷の古書コンコ堂に寄ってから会場に行く。漫画三冊。待ち合わせをしていたわけではないが、コンコ堂で古書ワルツの野村泰弘さんと会う。

『怪獣と老人』を観るのは二度目。あらためて村瀬継蔵さんの生き方に感銘を受けた。八十代の村瀬さんは体の調子がよいとはいえない状態にもかかわらず、朗らかで楽しそうにしている。そういう姿を見て「自分も何か作ろう」という気持になった。

 特撮はお金も手間もかかる。CGの普及により、怪獣造形師の仕事も減りつつある中、特撮の技術を磨き続け、次世代に継承しようとする。

 村瀬さんが怪獣の造形で発泡スチロールみたいなものをさくさく切っているときの手つきが神々しかった。

 村瀬さんが関わった作品だと『クレクレタコラ』が好きだった。主題歌も覚えている。

 この日、ひさしぶりに暖流で飲む。おにぎりがうまかった。