2025/04/10

戸田球場

 PR誌『ちくま』四月号に梅崎春生の『ウスバカ談義』に関するエッセイを書きました(九日「webちくま」に公開)。

『フライの雑誌』(133号)の特集は「日本の渓流のスタンダード・フライラインを考える」。わたしは「国道16号線と小流域」というエッセイを書いた。先月、三重に帰省したときに柳瀬博一著『国道16号線と「日本を創った道」』(新潮文庫)を再読した。国道16号線を通して、地域の地理、歴史、文化を論じる。道や川にたいする見方が大きく変わった。

 フライフィッシングショップなごみの遠藤早都治さんのエッセイはいつも引き込まれる。「時間」という言葉が重い。

 調べて考えて試して……。すぐ答えが出るわけではないが、それを続けていくしかない。

 火曜日、久しぶりに埼京線に乗る。くもり空で富士山は見れず。武蔵浦和駅からバスで戸田球場。イースタンリーグのヤクルト西武戦をつかだま書房の塚田眞周博さんと観戦する。三月下旬に塚田さんと相談して、この日に決めたのだが、村上宗隆選手の復帰、ドラフト一位の中村優斗投手、バウマン投手の初登板という試合をネット裏から観ることができた。塚田さん、野球運が強い(二〇一五年のヤクルトのセ・リーグ優勝決定試合も塚田さんにチケットを取ってもらった)。中村優斗投手はブルペンで投球練習中、軽く投げている感じなのだが、すごい球だった。一軍で投げる日が楽しみだ。

 西武の先発、アンダースローの與座海人投手もよかった。スピードガンの表示は百二十キロ台なのに速いし、力強い球に見える。変則派の投手は見ているだけで面白い。昔からわたしはアンダースロー、サイドスローが好きである。

 試合は負けたけど、ファームの試合は選手の活躍が見れるだけで嬉しい。順位や勝ち負けを気にせず、野球を楽しめるのもありがたい。戸田球場のレフト側の桜も咲いていた。

 二軍の愛称、西武の「子猫軍」は微笑ましい。ヤクルトは「戸田軍」である。他もファームの球場の所在地+軍が多い。二〇二七年にヤクルトのファームは埼玉県の戸田から茨城県の守谷に移転する予定なので「戸田軍」と呼べるのは来年までか。

 帰りは武蔵浦和駅から赤羽駅で途中下車し、ひたすらビンの赤星を飲む。赤羽駅からは高円寺駅までバスで帰る。