ミュージシャンで小説家の東賢次郎さんが、高円寺に来京。ノライヌ・カフェでペリカン時代の増岡さん、CRACKS&RABBITSのkoba-yangと東さんのライブもあり、五日連続で飲みました。東さん、ギター素晴らしかった。
今度は京都にも見に行くつもり。
*
すこしずつ温かくなってきて体調もやや上向きに。
ペリカン時代の原さんに教えてもらった高円寺と阿佐ケ谷のあいだ(南口)にある「料理書専門古本屋onakasuita」に行ってきた。
(http://onakasuita.ocnk.net/)
ありそうでなかったかんじの店です。
あ、岡崎武志さん、女子の古本屋でしたよ。
高円寺から都丸書店、アニマル洋子の巡回ルートを通って、ひさしぶりに阿佐ケ谷の古本屋をまわる。
いちど手放して、なかなか見つけられずにいた田中小実昌著『新宿ゴールデン街の人たち』(中央公論社)などを買う。
昔、年輩の知り合いに「四十代は目先の仕事に追われるうちにあっという間に終わっちゃうから気をつけなよ」といわれたことがあった。
それほど仕事に追われているわけではないのだが、自分にできることばかりやりがちになって、新しいことを勉強しなくなってきている。
本を読むことや文章を書くことが惰性になっている。惰性を続けることも大切なのだが、守りに入ってはいかんと気をひきしめる。
2011/02/19
条件のちがい
文章を書いていて、躓くことのひとつに条件のちがいという問題がある。
条件のちがいは、どこまでも細分化することができる。ただし細分化しすぎると一般性を失う。
何かをはじめるさい、恵まれた条件とそうでない条件がある。
まず自分の条件を見きわめる。
何が自分の武器になるか(ならないか)。
自分の条件がわるければ、恵まれた条件の人とはちがう方法をとる。同じレースには参加しないというのも手である。
このあたりの考え方は、ほとんど色川武大の『うらおもて人生録』(新潮文庫)の受け売りですね。
《——俺はだらしがない。ものを整理整頓したり、清潔にしたり、そういうことは最大の苦手なんだね。むりにやってできないことはないけれども、毎日そうするとなると、その点に全力がかかってしまって、整理整頓のために生きてるようになってしまう。これでは俺の能力が生かせない。
そうだとすれば、まず第一に、だらしがないということが致命傷になるようなコースは、避けるべきなんだ。やっちゃいけないんだ》(「一病の持ちかた——の章」)
《俺はとにかく、だらしがないという欠点を、せめて、人から愛されるようなものにしたい、と思ったんだな。それでないと、ただ、だらしがない、という直球では、一病が大病に発展しかねない。(中略)とにかく、欠点が陰気になってしまってはいけない。だらしなさに関して明るくふっきれること。(中略)だらしなさも極まれば、マイナスのヒーローにもなりうる。が、これをやるには相当の洗練を必要とするな》(「つけ合わせに能力を——の章」)
色川武大は「だらしなさ」という欠点を軸に自分の生き方を組み立てた。
自分の欠点が致命傷にならないような生き方をする。
それによって、努力の方法や方向性もちがってくる。
自分の条件(欠点)が通用する入口を見つけられるか。せっかく入口を見つけても鍵を持っていなければ入れないこともある。
鍵が見つかっても、そこから先にまたいろいろ条件のちがいが出てくる。
だからなかなか話が進まない。
欠点に関して明るくふっきれる。むずかしいことだが、大切な助言だとおもう。
条件のちがいは、どこまでも細分化することができる。ただし細分化しすぎると一般性を失う。
何かをはじめるさい、恵まれた条件とそうでない条件がある。
まず自分の条件を見きわめる。
何が自分の武器になるか(ならないか)。
自分の条件がわるければ、恵まれた条件の人とはちがう方法をとる。同じレースには参加しないというのも手である。
このあたりの考え方は、ほとんど色川武大の『うらおもて人生録』(新潮文庫)の受け売りですね。
《——俺はだらしがない。ものを整理整頓したり、清潔にしたり、そういうことは最大の苦手なんだね。むりにやってできないことはないけれども、毎日そうするとなると、その点に全力がかかってしまって、整理整頓のために生きてるようになってしまう。これでは俺の能力が生かせない。
そうだとすれば、まず第一に、だらしがないということが致命傷になるようなコースは、避けるべきなんだ。やっちゃいけないんだ》(「一病の持ちかた——の章」)
《俺はとにかく、だらしがないという欠点を、せめて、人から愛されるようなものにしたい、と思ったんだな。それでないと、ただ、だらしがない、という直球では、一病が大病に発展しかねない。(中略)とにかく、欠点が陰気になってしまってはいけない。だらしなさに関して明るくふっきれること。(中略)だらしなさも極まれば、マイナスのヒーローにもなりうる。が、これをやるには相当の洗練を必要とするな》(「つけ合わせに能力を——の章」)
色川武大は「だらしなさ」という欠点を軸に自分の生き方を組み立てた。
自分の欠点が致命傷にならないような生き方をする。
それによって、努力の方法や方向性もちがってくる。
自分の条件(欠点)が通用する入口を見つけられるか。せっかく入口を見つけても鍵を持っていなければ入れないこともある。
鍵が見つかっても、そこから先にまたいろいろ条件のちがいが出てくる。
だからなかなか話が進まない。
欠点に関して明るくふっきれる。むずかしいことだが、大切な助言だとおもう。
2011/02/16
自由業者の生存戦略
いちども就職したことがないせいか、友人知人も自由業の人が多い。そういう仕事(非勤め人)をしていると、「たいへんでしょ」とよくいわれる。
仕事をはじめたころから、不安定な生活をしている身としては、お金があったりなかったりというのが当たり前のことになる。
お店をやっている人の雨とか雪とか台風のときだと、売り上げはさっぱりという感覚にちかいかもしれない。
先月と比べて、収入が倍になることもあれば、半分になることもある。ゼロになることもある。
当たり前だけど、ゼロが続くと食っていけない。
だから、まず考えるのは、最低限の収入の確保である。
(……以下、『閑な読書人』晶文社所収)
仕事をはじめたころから、不安定な生活をしている身としては、お金があったりなかったりというのが当たり前のことになる。
お店をやっている人の雨とか雪とか台風のときだと、売り上げはさっぱりという感覚にちかいかもしれない。
先月と比べて、収入が倍になることもあれば、半分になることもある。ゼロになることもある。
当たり前だけど、ゼロが続くと食っていけない。
だから、まず考えるのは、最低限の収入の確保である。
(……以下、『閑な読書人』晶文社所収)
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