金曜、正午すぎに寝て午後十時に起きた。四月初旬、寒暖差のせいか、睡眠時間がめちゃくちゃになる。神経痛の兆候もすこし。とりあえず、夜、早稲田通りのお伊勢の森のバス停あたりまで散歩する。高円寺と阿佐ヶ谷の中間くらい。
東高円寺の天祖神社もそうだが、近所に伊勢(三重県)と関係深い場所がいくつかある。
すこし前、文芸創作誌『ウィッチンケア』(VOL.14)が届いた。だいたい年一回の発行の文芸誌でわたしは二〇一七年から参加している。
今回発表した「妙正寺川」はエッセイといえばエッセイなのだけど、いちおう心境小説のつもりで書いた。そもそも心境小説とは何か。正しい答えが知りたいわけではないが、自分なりの答えを見つけたい。
「妙正寺川」では『改造』の編集者でその後作家になった古木鐵太郎の話も書いた。
古木は一九五四年三月二日、五十四歳で亡くなった。没後七十年。今のわたしも五十四歳。わたしが生まれたとき、志摩に暮らしていた母方の祖母が五十四歳だった。そういう年齢なんだな、五十四歳。
晩年、古木は鷺ノ宮に住んでいて、妙正寺川沿いの道をよく散歩していた。
編集者時代の古木は宇野浩二の担当をしていたこともある。ここのところ、宇野浩二が精神に異常をきたし、五、六年小説を書かなった時期(童話は何篇か書いていた)について考えている。
書けなくなったのか書かなかったのか。復帰作以降、文体も変わっている。