新年あけましておめでとうございます。初詣はまだ(人が多かったのでやめた)。近所を散歩する。町に人が少ない。店も開いているところが少ない。西友で寿司を買う。
紅白、年をとっても変わらない声量を維持している歌手を見ると、すごいなと感心する。曲調もあるけど、演歌勢の安定感もさすがだなと。
年末の土曜夕方、西部古書会館。『なかの史跡ガイド』(中野区立歴史民俗資料館、一九八九年)、『たずねてみませんか 中野の名所・旧跡』(中野区企画部広報課、一九九〇年)、『旅別冊 鉄道 追憶・熱狂・冒険』(日本交通公社、一九八五年)など。
『なかの史跡ガイド』は二冊目。手持ちの冊子は書き込み有でボロボロだったので買い直した。『たずねてみませんか 中野の名所・旧跡』は二十頁ちょっとの冊子。手書きの地図がいい。ここ数年、日課の散歩で中野区の大和町、野方界隈、西武新宿線沿線の町をよく巡回している。バスにもよく乗るようになった。初夢もバスの夢を見た。
『たずねてみませんか 中野の名所・旧跡』によると、中野の地名の由来は「武蔵野の中央に位置するから中野といわれたようです。(中略)昔は一村名ではなく相当広い地域を含む総称だったようです」とある。
中野区は一九三二(昭和七)年に中野町と野方町が合併してできた区である。中野区の「野」は野方の「野」も含んでいる(という説もある)。
中野区の「地名の由来」はいくつか囲み記事があり、野方は「江戸時代、多摩郡には、幕府直轄領と旗本の知行地が入り混じっていましたが、その広い範囲を『野方領』と呼んでいたといわれます」とのこと。
以前、近所の飲み屋で杉並区方南町の「方南」の由来の話になった。
もともと方南町は和田村で、字で「方南」という地名がついていた。和田村の南説、杉並村の南説などもあるようだが、野方の南説も候補のひとつらしい。
地図で見ると、西武新宿線の野方駅から環七をほぼまっすぐ南に向かうと、東京メトロ丸の内線の方南町駅である。
『旅別冊 鉄道』は、カラー頁が多くてきれい。鈴木一誌のデザイン。冒頭に小野十三郎の詩「機関車に」(『古き世界の上』より)が載っている。ほぼ原型を復元した機関車「パシナ」の写真(潘陽)を見る。パシナ、水色だったのか。二十代のころ、お世話になった人が『パシナ』という同人誌を作っていて、その雑誌名の由来はパシナ号からとったと聞いた。
古本好きは変わらないけど、そのときどきの関心で読むものが変わる。今は地理や歴史に興味が移っているが、今年はどうなるか。その日、自分が何を読んでいるのか予想がつかないところも古本趣味の面白さである。