2012/06/11

ビロビジャン

……先週、北海道からビロビジャンというユダヤ音楽(クレツマー/クレズマー)を演奏する二人組(小松崎健さんと長崎亜希子さん)が上京し、コクテイルとペリカン時代をハシゴ酒。
 ビロビジャンを紹介してくれたのは、バウロン奏者のトシバウロンさん(アルバム『ビロビジャン』にゲスト参加している)。

 六日(木)、高円寺のザ クルーラカンでビロビジャン、バロン&熊谷太輔のライブ、八日(金)、古書ほうろうでビロビジャンwithトシバウロン、ゲストは中原直生(イリアンパイプス)のライブを見に行った。
 ビロビジャンの意味は《ハバロフスクから2〜3時間のロシア極東にあるユダヤ自治州の州都》(アルバムのライナーより)とのこと。

 小松崎さんが演奏するハンマーダルシマーはペルシャで生まれ、中世にヨーロッパに伝わったピアノの原型といわれる楽器。六十四本の弦(弦の数はいろいろあるらしい)を木製の細長いスプーンのようなばちで叩いて反響させる。
 そんな不思議な楽器をほぼ独学(ビデオを見たりとか)で習得したという。
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 数日後、沼野充義著『屋根の上のバイリンガル』(白水社)を再読する。
 この本、ユダヤ系の少数言語のイディッシュ語の話が出てきた。昔、読んだときは、まさかイディッシュ語の話題が飛び交うような酒の席に出くわすことになるとはおもいもしなかった。

 最終日の打ち上げで、高円寺南口のまんま みじんこ洞(=ミニコミ居酒屋)に案内したところ、たまたまアイリッシュ音楽がかかって、(わたしをのぞいた)一同が歓声を上げる。店の人に聞いたら、音源を持ち込んだのはトシバウロンさんの知り合いとわかって、つくづく世間は……。