2008/03/04

何したかったか忘れた

 飲みすぎた。からだがだるい。午後三時くらいまで布団の中。本を読んだり、二度寝したり、ぐだぐだすごす。止まっている。何の進歩もない。どうにかしたい。最近、壁にぶつかっている。二十代の後半のときもそうだった。またかってかんじだ。

 気をとりなおして夕方自転車で中野に行く。青梅街道を新宿方面、鍋屋横丁の四国屋を目ざす。前は高円寺の南口にもあったうどん屋で、週一ペースで通っていたのだが、昨年閉店してしまった。わざわざうどんを食うために遠出をするのもなんなのだが、自転車もあるし、行くことにしたわけだ。中野本町四丁目の店のほうは、ちょうど準備中。あきらめてはなまるうどんに行こうとしたところ、中野本町五丁目にもう一軒、四国屋があった。おお、とおもって店に入ると、たけるのママがカウンターにいるではないか。
 たぬきうどんを注文。四ヶ月ぶりの味に感激する。

 食後、中野の神田川沿いをサイクリング。なんとなく高級住宅地の雰囲気だ。はじめてきたかもしれない。
 そのうち道に迷って東中野のほうに出てしまった。新宿の高層ビルがすごく近く見える。

 帰りに中野ブロードウェイに寄ろうとおもっていたのだが、せっかく自転車に乗っているのだからと、ブックオフの中野早稲田通店に行ってみる。ここは都内ブックオフの中では名店という噂(もちろん、古本好きのあいだで)なのだが、駅からちょっと遠くて、なかなか行けない。気がついたら三千円以上本を買ってしまった。仕事をしたような気分だ。
 それからブロードウェイ。三階のタコシェで古本を数冊、すぐ隣の中古CD屋で紙ジャケ盤を新譜で買ったにもかかわらず、中身をなくしてしまったハース・マルティネスの『ハース・フロム・アース』を買う。ずっと買い直そうとおもっていたのだが、なかなか中古では売っていなかったのである。

 家に帰ると午後七時。かなり気分がすっきりしている。
 とはいえ、もっと有意義な時間やお金のつかい方があるのではないかという疑問は常にある。
 人間も社会も進歩していくという幻想の世紀に生まれてしまったせいかもしれない、と話を大きくしてうやむやにしてしまうのはよくない気がする。
 たんに自分が低迷しているだけなのか、世の中も停滞しているのか、わからなくなる。

 三十八歳のフリーライターに残されている未開拓の領域というのはどこにあるのか。そんなことばかり考えている。この考えをすすめていくと、すき間狙いの発想しか出てこない。
 早く答えを出して、先に進みたい。