2016/10/16

コタツ生活

……向き不向きのことをいろいろ考えていたのだが、その前に関係ない(すこしは関係ある)話を書く。

 わたしは長屋で生まれ育った。十九歳で上京するまで、ずっとコタツで食事をしていた。読書も勉強もだ。
 つまり、机(テーブル)と椅子の生活になじみがなかった。今もコタツ生活だ。上京して、はじめて買った電化製品もコタツだった(質屋で千五百円)。

 小学生のころ、通信簿に「落ち着きがない」と書かれていた。今おもうと、授業中、椅子に座っているのが苦手だったからかもしれない。家ではコタツ+座布団の生活をしていて、疲れたらすぐ横になることができた。学校では横になれない。その緊張感のせいで、そわそわしていた……ような気がするのだ。

 中学、高校に通うようになっても、机と椅子で勉強することに慣れなかった。
 もしコタツ+座布団で仕事ができる会社があったら、わたしはそこそこやっていけるのではないか。コタツの後ろに布団が敷いてあって、すぐ横になれる環境なら、たぶん、長時間労働も可能だ(可能だからといって、したいわけではない)。

 体力が人並以下だから肉体労働はしんどい。机と椅子の生活が苦手だからデスクワークもきびしい。
 どうすればいいのか。さすがに日本中の会社をコタツで仕事ができるように変革するのはむずかしい。でも自宅で仕事すれば、解決する。毎日、睡眠時間がズレても大丈夫だ。

 仕事ができるできないは、能力の問題だけでなく、環境の問題も大きい。
 自分の適性を考える場合、能力が足りないのか、それとも環境が合っていないのか——その両面を検討したほうがいい。

 これからコタツ布団を洗濯しようとおもう。