2026/05/22

道具の歴史

 昨晩、深夜二時まで飲んで家に帰ってすぐ寝る。ひさしぶりに十時間睡眠。寝過ぎかなとおもったが、頭と体がすっきりして楽になる。

 いつから家にあるのかわからないくらい長く使っている爪切がある。たぶん三十年以上。自分で買った記憶はない。

 切れ味は新品のころと比べるとかなり落ちている。でも切れすぎないから、使いやすい。新しい爪切もいくつか持っているが、そうはいかない。

 愛用している爪切をお湯で洗った。すると「SAKAI-TOHJI SINCE 1805」という文字が刻まれていた。
 SAKAI-TOHJIは堺刀司。一八〇五(文化二)年創業の和泉利器製作所であることがわかった。

 堺刀司のオンラインショップを見ると、愛用の爪切と同じものがあった。「堺の歴史爪切」というシリーズの「青色 神父」。千百円(税込み)。
 爪切には帽子を被った三人(一人は十字架をかけている)のおじさんの絵が描かれている。
 おそらくフランシスコ・ザビエルとその一行の絵だろう。

 一五五〇(天文十九)年十二月上旬、ザビエルは二人の従者を連れて堺の地を訪れている。

 大阪堺市の二百二十年以上前にできた会社の爪切だと知らずに使い続けてきた。今回はたまたま判明したが、知らないままの道具はいくらでもある。

 家で一番よく使うステンレスのハサミを調べたら、岐阜県関市の長谷川刃物(創業一九三三年)のものだった。さっきまで知らなかった。二十年以上前に高円寺駅の近くの文房具屋で買った。

 岐阜県関市はドイツのゾーリンゲン、イギリスのシェフィールドと共に「世界三大刃物産地」である。