金曜、台風接近中(関東)。米を焚き、カレーを作る。ひきこもり体制は万全である。晴れの日一万歩、雨の日五千歩の日課のため、午前と午後の小雨時に歩いた。午前中の散歩は途中で豪雨に見舞われ、全身ずぶ濡れになる。別に歩かなくても何の罰則もないわけだが、目標をクリアしたいという欲に動かされているところもある。
「地震雷火事親父」の「親父」は「大山嵐(おおやまじ)」「大風(おおやじ)」などが転化したのではないかという説がある。たしかに日本の風土を考えると、台風(強風)説は理にかなっている気がする。
すこし前に佐藤鬼房の「みちのくは底知れぬ国大熊生く」という句を知った。「大熊」は「おやじ(ぢ)」と読む。
怖いものの例として「親父=熊」説は……ないか。
高校野球を見て、その合間に仕事したり漫画を読んだり散歩したり。三十六歳のとき、高校球児(三年生)の二倍の年になったのかとおもった。五十四歳、ついに三倍。一日二、三試合野球を見ているだけで疲れてしまう。
今月、地雷原(原作)、佐伯淳一(漫画)の『マヌケなFPSプレイヤーが異世界へ落ちた場合』(角川コミック・エース)の五巻が刊行。オンラインゲームの仮想現実っぽい世界に転生した主人公の物語である。最初の巻が二〇一七年刊。年一巻くらいのペースで続いていたのだが、二〇二〇年の四巻以降、続刊が出ていなかった。
五巻は四年ぶり。シューティングゲームやオンラインゲームをほとんど知らないわたしが読んでも作品の世界に没入(現実逃避)できる。佐伯淳一のキャラクターの浮遊感が独特で街の絵がやたらと細かい。
五巻、主人公が王都にたどり着いたときの場面があるのだが、とんでもない数の屋敷が描き込まれている。全巻通して街の絵(俯瞰図)がすごい。戦闘シーンの人(いわゆるモブキャラ)や馬、魔物も微細に描かれていて、一コマ一コマの熱量がおかしい。
主人公は魔力がなく(魔抜け=マヌケ)、そのかわり日本にいたときにやっていたゲームの武器やアイテムがつかえる。銃の弾薬を入手するには魔物を倒し、魔石(クリスタル)を入手する必要がある。主人公は戦闘能力は高いが、自分の理解がまったく及ばない異世界で生き延びるため、終始、慎重なところもいい。
「異世界もの」に興味がない人にもおすすめしたい。