十四日(火)、東京都心の最高気温三十五度の予想——今年初の猛暑日。
夕方四時半、風の通りがよい道を選んで散歩する。風があるだけで二、三度涼しく感じる。
高円寺周辺は南北より東西の道のほうが風の抜けがいい。同じ東西の道でも風が止まる場所がある(わたしの自宅の周辺がそう)。
歩いていて樹木の葉が揺れているのが見えるとその近くに行って日陰で休む。高円寺駅の南口広場の噴水のところで夕涼みする。この広場に「風の塔」(山本衛士/一九九七年)という防災モニュメントがある。この塔のまわりに鳩が百羽以上いる。鳩、人が近づいても逃げない。
夜八時ごろ、東のほうから気持いい風が吹く。たぶん海からの風だろう。
夏の東京、凪の時間は蒸し暑くて散歩には向いていない。
日曜日、西部古書会館の均一古本フェスタで『文芸年鑑』(新潮社)の昭和五十年版、五十三年版、五十八年版を買った(いずれも百円)。平成以降の『文芸年鑑』は何冊か持っていたのだが、処分してしまった。
荻窪に行くとき、丸ノ内線の東高円寺駅を利用していた文芸評論家の山本容朗の住所を調べる(『文芸年鑑』昭和五十八年版)。蚕糸の森公園のすこし南の杉並区和田——女子美術大学の近く。そこから東のほうに歩いていくと丸谷才一が目黒区三田に引っ越す前のアパートがあった十貫坂にたどり着く。山本容朗の家(仕事場?)からは徒歩四、五分くらい。
十貫坂もそうだが、このあたりは古い道が残っている。風の通りのいい道も多い。
山本容朗の家は丸ノ内線の東高円寺と中野富士見町の中間くらい。ちょっと南に行くと神田川がある。わたしは高円寺から中野富士見町まで散歩するとき、このあたりをよく通る。