西部古書会館の古書展がない週末、中野まで散歩する。早稲田通りを歩いている途中、小雨が降り出す。
古本案内処が七月十四日(日)で店舗を閉める。半額セール中。レジのところに今後もインターネットでの販売、古書会館の催事は続けていくとあって一安心。古書会館でも古本案内処の本(とくに雑本)は見ているだけで面白い。
木下忠編『双書フォークロアの視点 背負う・担ぐ・かべる』(岩崎美術社、一九八九年)など。頭上運搬をはじめ、古来から伝わる人力運搬の記録。三砂ちづる著『頭上運搬を追って 失われゆく身体技法』(光文社新書)の書評(東京新聞二〇二四年五月十二日付)を書いたのだけど、人力運搬は奥が深い。街道歩きをはじめるまでは自分の歩き方や体の使い方に無頓着だった。膝や足首を痛めて、すこしずつ負担の少ない歩き方を身につけたいとおもうようになった。靴も足の裏全体に体重が分散するタイプのウォーキングシューズに変えた。
同じような日々をくりかえしていても、たまたま読んだ本によって興味関心が変わり、気がつくとすこし前の自分なら読まなかったであろう本が山積みになっている。読むことも書くことも歩くことも行き当たりばったりだ。
昨年の今ごろは福原麟太郎の話ばかり書いていた。それから古典や和歌の本を読むようになった。興味がないと読んでも身にしみない。読むこと以上に新鮮な興味を持ち続けることが老年期の課題かもしれない。
古本案内処のあとライフに寄り、かつおのたたき、クーリッシュ(桃)、ごまパンのウインナーリング、ごま油などを買う。雨が降っているし、刺身も買ったので総武線で帰る。
(追記)「古本案内処」を「古書案内処」と書いていた。訂正した。