2024/07/23

夏バテ散歩

 月曜夕方荻窪散歩。前日飲みすぎたので行きは電車。古書ワルツで『前田晁・田山花袋・窪田空穂 雑誌『文章世界』を軸に』(山梨県立文学館、一九九七年)、高木正一注『白居易 中國詩人選集』(上下巻、岩波書店、一九五八年)など。
『文章世界』は博文館の文芸誌(投書雑誌だった)。一九〇六年創刊。編集発行人は田山花袋、長谷川天渓、加納作次郎らがつとめた。

《人が読みそうなものは小さく扱い、そうでないものを大事に扱うという編集方法で読者を引きつけた》

 ユニークな編集方針である。窪田空穂の歌集と随筆も読みはじめている。長野・松本の窪田空穂記念館に行きたい。

 すこし前に阿佐ケ谷・古書コンコ堂で武田利男訳の『白楽天詩集』(六興出版、一九八一年)を買った。装丁は富士正晴。疲れているときに漢詩の訳文の文体が心地よく、気持が和らぐ。白居易、老いに関する詩もけっこう書いている(七十四歳没)。

 荻窪から杉並中学・高校近くの道を通って阿佐ケ谷へ。一見、住宅街なのだけど、カレー屋、中華料理店、サンドイッチの店、寿司屋などがある。斜めの道がいい。すこし南に釣り堀の寿々木園がある。寿々木園の向いのファミリーマートで一休み(二階に喫煙コーナーあり。窓から釣り堀が見える)。寿々木園の周辺は暗渠もある(井伏鱒二著『荻窪風土記』新潮社に阿佐ケ谷の堀の話が出てくる)。
 湿度が高く、汗が出る。年をとると、喉の渇きが鈍くなる。意識して水分を補給する必要がある(この日は水筒持参)。阿佐ケ谷のビーンズで涼む。中央線のガード下、電気がついていないところがあり、暗い。ビッグ・エーで涼む(冷凍のパスタを買う)。

 本を読むのも散歩をするのも楽しいときもあれば、そうでないときもある。でもたぶん続けることに意味がある。低迷しているなとおもうときも古本屋に行き、本の背表紙を見る。これまで興味がなかった本を買う。読む。飽きないように燃え尽きないように、だらだらとぼとぼ生きる。

 納豆となめこのそばを作る。ネバネバ食材は夏バテ予防になる……と信じている。

(追記)荻窪に行く前、一万円札をくずそうとスイカのチャージしたら、お釣りに新札の五千円札があった。千円、一万円の新札はまだ入手していない。