2024/07/30

絵すごろく

 高校野球、三重県大会は菰野高校が十六年ぶりの優勝(鈴鹿高校も惜しかった)。いい決勝戦だった。

 『フライの雑誌』最新号「イブニング&ヒゲナガの釣り」。齊藤晃大「大学生活黙示録 留年篇」、大木孝威「無職亭釣日乗 明日はどうなる」など、昨今の文芸誌ではなかなか読めない私小説感溢れる文章(傑作)が読めて嬉しい。気のせいかもしれないが、同誌の執筆陣、仕事(生活)と趣味のバランスがおかしい人ばかりなのでは……。

 わたしは「健康でなければ釣りはできない 緒方昇と釣り」で富士川と笛吹川の話を書いた。緒方は『日本アナキズム運動人名事典』(ぱる出版)にも掲載されている釣人で新聞記者である。

 土曜、朝寝夕方起。夜明け前(午前四時ごろ)に散歩をするようになって睡眠時間がズレまくる。頭がまったく回らない状態で西部古書会館に行く。雨が降りそうな空模様。雷が鳴っている。山本博文監修『江戸の絵すごろく』(双葉社、二〇一八年)、『愛媛新聞創刊100周年記念 子規と漱石 その交遊と足跡』(愛媛新聞社、一九七六年)など。

『江戸の絵すごろく』はアウトレット本。東海道双六、膝栗毛の双六などもカラーで掲載。双六やカルタもそうだが、遊びながら地理や文芸の学習になる。よい文化だなと。

 すこし前に読んだ西村享著『旅と旅人 日本人の民俗4 都鄙の交流』(有楽選書、一九七七年)の第一章は「都と鄙」——「『ふりだし』と『あがり』」ではじまる。

《旅の道中の知識は、もっと本格的になれば道中記や名所図会の類によることになるが、そのほんの初歩のところを遊戯の形に移したところに道中双六の人気の因があったのであろう》

 さらに『旅と旅人』は浄瑠璃の『伊賀越道中双六』にも触れている。「伊賀越」は「日本三大仇討ち」の一つ。

 遊びを通して身につく知識はあなどれない。わたしは学生のころ『スーパー伊忍道』というゲームにはまり、戦国時代の地理(旧国名など)を学んだ。中年期以降、遊びながら何かを身につけるという経験が減った気がする。ゲームの『桃太郎電鉄』も双六といっていいだろう。

『子規と漱石』の文学展は松山三越七階特設会場で一九七六年三月開催。同パンフには「かまち用」というシールは貼ってあり、「愛媛大学蒲池文雄」と名前が記されている。蒲池文雄は愛媛大学教授(日本文学研究者)。同パンフレットにも原稿の寄稿などの協力者として名前が出ている。「交遊 大学予備門から大学時代」を担当したようだ(赤のボールペンで蒲池稿と書いてある)。

 正岡子規の上京(一八八三年)は松山市の三津浜から神戸、神戸から横浜と船旅だった。三津浜は行きたい(道後温泉は二回行った)。三津浜〜山口の柳井港の防予フェリーがある。防予フェリーは周防大島の伊保田港にも寄港する。