2022/09/13

意識の変化

 日曜日、昼はプロ野球(ひいきの球団の一軍と二軍の試合を追いかける)、夜は仕事したり、漫画を読んだりしていて、気がつくと家から出ないまま午後十一時すぎになっていた。

 昔は気にならなかったけど、時代や自分の感覚の変化によって、引っかかるようになったことがいろいろある。

 野球のヤジもそうだ。
 球場に行く。外野の自由席で酔っ払いが敵味方関係なく選手を罵る。十年くらい前までは「これも野球の風物詩だな」くらいにおもっていた。もっとも昔から好きではなかったが。

 客席だけでなく、ベンチのヤジも同様である。おそらく若い野球ファンは、そのあたりはもっと過敏かもしれない。いちおう、わたしは今よりもっとひどかった時代を知っていて、それなりに免疫がある。それでも好きな選手が罵倒されたら、気分はよくない。

 昨日、ひいきの球団の某コーチが主力選手が受けたデッドボールにたいし、報復をうながすようなヤジを飛ばし、試合後、そのことを謝罪した。昔ならそれほど問題にならなかっただろう。

 新型コロナの流行以降、球場で声を出しての応援を自粛するようになり、その分、ベンチの声がよく聞えるようになった。某コーチのヤジは今回の謝罪の前からインターネット上ではたびたび批判の声があがっていた。

 こうした変化にたいし、敏感な人もいれば、そうでない人もいるだろう。個人の受け止め方にも時間差がある。むずかしい問題だ。

2022/09/05

例大祭

 土曜日、昼、西部古書会館。あいかわらず、文学展パンフと街道本。ずっと探していて見つからず、定価の何倍で買った本が、その後、格安の値段で何度も見かけるようになる。よくあることだけど、たぶん、安く買っていたら、棚に並んでいても気にせず通りすぎて記憶に残らない。たまに高摑みしてしまうのもわるくない。
 今回、CDも並んでいた。RCサクセション『シングルマン』のCDなどを買う。「甲州街道はもう秋なのさ」を聴く。

 夕方、散歩。青梅街道のいなげやに行った後、住宅地を歩いていたら、神輿に出くわす。馬橋稲荷神社で例大祭。出店もいろいろあって、大にぎわい。子どもがいっぱいいる。生ビールを飲む。翌日も午後六時すぎに行き、神楽を観る。五日市街道沿いのスペイン料理の店のパエリヤは売り切れ。ケバブの出店もあった。
 若いころは祭なんて、まったく興味がなかった(古本祭は例外)。年々、花見とか祭とか、季節の行事みたいなものが好きになっている。
 いつまで元気に歩きまわれるかわからない。酒も飲めなくなるかもしれない。
 この先、何ができて何ができないか、そういうことを考えることが多くなった。

2022/09/01

意欲

 すこし前にミシマ社の小田嶋隆さんの新刊が届いたので、同社の既刊の『小田嶋隆のコラム道』『小田嶋隆のコラムの切り口』を読み返した。『小田嶋隆のコラム道』は小田嶋本で一番読み返しているかもしれない。本に三省堂書店のレシートが挟まっていた。日付は二〇一二年の五月二十四日。最近の本だとおもっていたのだが、十年以上前か。『コラム道』の第五回「モチベーションこそ才能なり」にこんな一節がある。

《技巧のない書き手は、どんなに良い話を持っていてもそれを良質のテキストとして結実させることはできないし、意欲を高く保ち続けることのできない書き手は、最終的に、原稿を読める水準の作品として着地させることができない》

 この話と新刊の『小田嶋隆のコラムの向こう側』の二〇二二年三月の「思い上がりがもたらす自縄自縛」はつながる。

 文章にかぎった話ではないが、意欲の持続ができるかどうか、それができないとあらゆる作品は未完成になる。
 技巧に関しては百人いれば百通りの手法があるだろう。「ヘタウマ」だって立派な技巧といえる。ただ、その人の技巧や作風が、広く(狭くてもいい)知られるまでには積み重ねが必要だ。しかし書いても書いても「くだらない」「つまらない」と貶され続けたら、よっぽど強靭な精神力の持ち主以外はいやになる。

 編集者の仕事の七割くらいは書き手の意欲をそがないことではないか——というのがわたしの持論だ。

 インターネットの普及以降、プロアマ関係なく、何かを発表するたび、批判にさらされる(賞讃されることは滅多にない)。

 他の書き手はどうだか知らないが、わたしは日々書きかけで終わってしまう原稿を量産している。「読みかけていた本が行方不明になってしまった」「返事に時間がかかりそうなメールが届いた」くらいの理由で書きかけの原稿が頓挫してしまうこともよくある。

 途中で資料を探さなくてもいいようにはじめから机のそばに揃えておく。仕事中はなるべく外からの情報を遮断する。それだけで文章を最後まで書き上げる率は三割くらい増す(とおもう)。

……もうすこし長く書く予定だったが、急な予定が入ったのでこれにて終了する。