2011/04/22

どうでもいいこと

《世の中が不景気で大多数の人達が困っているのに、自分がなんにもせずに毎日酒を飲んでアフラアフラしているように思われることはあまり愉快なことではない。しかし、私はそう思われても別段たいして苦にはならない。自分はつとに人生に対して「白旗」を掲げて生きている人間だからである》(辻潤「おうこんとれいる」/『辻潤全集』第三巻・五月書房)

 辻潤の文章を読んで、ちょっとほっとした。ここまで役立たずであることに開き直れるわけではないのだが、常々、酔っぱらいの戯れ言に寛容な世の中であってほしいとおもっている。

 とはいえ、東京はだいぶ落ち着いてきた。
 近状のスーパーでは、市販の水はまだ「おひとり様一本まで」という札がついているのだけど、たいていのものは不自由なく買えるようになった。

《なにかあることをいおうとすると、同時にいくつも異なった考えが浮んでくる(これは立派にアルコオリック患者の症状だ)。それをいちどにみんな表現することが出来れば一番いいと思うのだが、それは到底不可能だ。だからその中のどれか一つを選択しなければならない。もしそれを一時に表現出来たとしても、恐らくそれは人から理解されることはむずかしいことだと思う》(同前)

 わたしは辻潤のような「いちどにみんな表現すること」を志している文章が好きだ。
 なにかをいおうとすると、迷いが生じる。その迷いをとりのぞくと、いいたいことではなくなる。

 話はズレるけど、数年前からわたしは、週二日ほど休肝日なるものを実践している。

 休肝日を実践して以来、体調がよくなった。そのかわり、おなかが減る。よく食うから腹が出る。
 とうとうスーツのズボンがすべて(といっても二着)はけなくなってしまった。

 体型が変わることで性格も変わるのか。

 前より細かいことが気にならず、温和になった気がする。
 ただし、細かいことが気にならず、いろいろなことが面倒くさくなったから、太ったという説もある。どっちなんだろう。

 いろいろ心配事がないわけではないが、無意味で無内容なことが書きたくなった。