2018/10/15

高円寺日和

 土曜日、午前中から西部古書会館。木曜から開催だったので三日目。街道本を買う。装丁違いの同じ本を買ってしまう。まだまだ勉強中。失敗もある。

 午後三時すぎ、東高円寺へ。中野から歩いて帰るときに東高円寺界隈はよく通るのだが、高円寺から行くのは久しぶり。商店街を散策し、新代田駅行きのバス停を調べる。ひさしぶりに蚕糸の森公園も歩いた。スーパー三徳で京都の湯葉を買う。
 青梅街道に沿って歩く。すると杉並車庫前からも新代田駅行きのバスがある。ひょっとして……。環七の高円寺陸橋、それからセシオン杉並の前のバス停も通っている。

 すこし前に「東高円寺から新代田」という文章を書いたのだが、高円寺駅から東高円寺駅まで行かなくても高円寺陸橋から乗るほうが近い。
 今年の秋で高円寺暮らしは二十九年になるが、バスのルートは知らないことばかりだ。

 日曜日、高円寺のJIROKICHIで『迷路でバッタリ!』、オグラ&ジュンマキ堂バンドと東京ローカル・ホンクのライブ。オグラさんが800ランプ、ホンクがうずまきだったころ以来、二十年ぶりの対バン。わたしがオグラさん、ホンクと知り合ったのも二十年くらい前だった。
 二十代後半のフリーター時代からずっと見続けているミュージシャンだ。「三十代、楽しそうだなあ」とおもわせくれた先輩でもある。

 MCでオグラさんが「長く続けているといいことがあるねえ」といっていたけど、ファンもそう。この二組を同じステージで観ることができて幸せだ。しかもJIROKICHIで観られるとは。
 ライブを見ながら変わらない部分と変わった部分について考える。昔の曲と今の曲が、ちゃんとつながっているおもしろさ。オグラさんの「猫と二度寝」をバンドで聴けてよかった。中盤からの新曲連発もおもしろかった。

 東京ローカル・ホンクは、ここのところ木下弦二さんのソロばかり観ていたのだけど、やっぱりバンドが最高だなあ。「ダークマター」は名曲だ。ライブだとどこを見ていいいのかわからないくらい、すべての演奏がすごい。ときどき「うわあ」と声が出ていたみたいだ(今回、妻もいっしょだった)。

 一晩すぎたけど(十時間熟睡)、まだ余韻が残っている。

2018/10/11

街道文学館

 七日(日)から九日(火)までJRの「秋の乗り放題パス」で東京〜三重を往復した。東海道と中山道、途中下車の旅だ。一日十キロ以上、三日で三十キロ以上歩く(休憩多め)。行き先々でマップその他、街道関係の資料を集めていたので、どんどん荷物が重くなり、足の裏がすこし痛くなった。
 それにしても長野は広い。そしておもしろい町が多い。今回も塩尻の同じ宿(ホテル中村屋)に泊った。
 三重から中央本線で東京に帰るときに、長野の塩尻で一泊するとほんとうに楽だ。塩尻にたどり着くのは、だいたい夜。酒とつまみを買ってホテルで飲んで寝るだけなのだが、よく歩いているので毎回熟睡できる。
 これから三重に帰省するさいは、行きか帰りのどちらかは中央本線に乗ろうとおもっている。

 まもなく「web本の雑誌」で人生初の「紀行文」の連載がスタートします。たぶん月二回更新。今年六月『旅する本の雑誌』の打ち合わせ中に連載の話があり、やってみたい企画(もちろん街道もの!)があったのだが、「もうすこし準備してからはじめたい」と考えていた。でも書きながら勉強していくという方法もあるのではないかと考え直した。『人生と道草』(旅と思索社)の第3号の「いざ! ヨバツカ!」に背中を押されたところもある。バックナンバーもおもしろかった。

 旅行中、京都の古書善行堂さんから一箱古本まつり(十月十三日)の参加を呼びかけるメールが届く。さすがに間に合わないとおもったが、なんとか送ることができた(図録多め)。疲れた。
 この日、善行堂プレゼンツ第一回「世田谷ピンポンズ・トーク&ライブ」も開催されるそうだ。

 京都から滋賀県の草津〜それから三重に帰るルート上にも行ったことがない町がたくさんある。仕事中も地図ばかり見ている。非効率な面白いルートを見つけると今すぐ出かけたくなる。中山道は美濃路(中津川〜関ヶ原)と近江路(今須〜大津)が行ってない場所が多い。養老鉄道にも乗りたい。年内は……むずかしいか。

2018/10/05

まだ片づかない

 仕事部屋の本を片づけていたら、二倍くらい散らかってしまったと書いたが、今は六倍くらいだ。終わりが見えない。
 本棚の前に読み終わった本、しばらく必要としない本を積む。時間が経つにつれ、本の山が一列二列三列と増えていく。山が崩れそうになると古本屋に売る。以前はそうしていた。
 今も買ったり売ったりしているのだが、明らかに買う量が売る量を上回り、気がつくと本の山の列が五列六列になり、本棚に手が届かなくなってしまった。奥の列に積んである本も把握できない。本を探すのに手間取るようになった。
 一メートルくらい先にある本棚の本を取るためのマジックハンドみたいな道具があったらほしい。しかし本のパラフィンを破かず、棚にぎっしり詰まった本を抜き出すというのはわたしの想像以上に精密な機能を要するにちがいない。安い値段では買えそうにない。人間の手というものはよくできている。

 本の整理をするにあって、文庫、新書、新書よりちょっと大きめの本、四六版の単行本、四六版よりちょっと大きめの本、正方形(もしくは正方形に近い形の)の変形本、横長の本、図録その他大判の本とサイズと形ごとに積み直そうと考えた。
 そうすれば本を探すときに楽だろう。そのアイデアを実行に移した。その結果、掃除前の六倍くらい散らかっている状況になった。

 本を減らすしか解決策はないようである。

2018/10/02

東高円寺から新代田

 仕事部屋の本の整理が終わらない。片づけはじめる前の二倍くらい散らかってしまった。
 掃除中、毛利好彰著『知的生活のための散歩学』(実務教育出版、一九九一年)という本が出てきた。いつ買ったのかすら憶えていない。目次をパラパラ見ると「私の高円寺寺町散歩」という頁がある。「高円寺」という文字に反応して買ったとおもう。未読のまま埋もれているおもしろい本がまだまだあるのだろう。自宅で宝探しができるなんて最高だ。
 本書の「散歩空間をさらに広げる」というエッセイを読んでいたら、次のような文章があった。

《私はまず、高円寺の自宅から歩いて一五分以内に走っている路線を、ひととおり終点まで乗ってみた。散歩の偵察である。環状七号線沿いには、赤羽、王子、練馬、野方、新宿西口、南にまわれば野沢銀座や渋谷行きのバスが走っている。そのほか、中野、吉祥寺、五日市街道車庫、阿佐ヶ谷、阿佐ヶ谷車庫、丸山車庫行きなど、かなりの路線がある》

 読んだおぼえがない。最初、野沢銀座がどこだかわからなかった。高円寺界隈からの直通のバスはもうないようだ。

 調べてみたら、東京メトロの東高円寺駅から都営バスで京王井の頭線の新代田駅前、それから東急バスに乗り換えて野沢銀座に行くルートがある。
 というか、東高円寺から新代田駅までのバスがあったのか。

 これは大発見だ。下北沢はライブハウスや劇場が多い。今はすこし足が遠のいたが、昔はしょっちゅう下北沢に行ってた。

 高円寺から下北沢に行くにはJR地下鉄問わず、とりあえず新宿に出て、それから小田急線に乗り換えて行くのが、わたしがよく利用しているルートだ(JR中央線の吉祥寺に出て井の頭線で行く方法もある)。JR中央線の高円寺駅から小田急線の下北沢駅まではIC運賃で三百八円。乗り換え時間を含めると二十分以上かかる。
 ところが、である。東高円寺駅〜新代田駅の都営バスのIC運賃は二百六円。時間は十七分(渋滞に巻き込まれなければ)。
 片道百二円浮くやん。往復で二百四円浮くやん。

 新代田駅から下北沢駅までは五百メートルもない。たぶん下北沢駅のホームから地上に出るまでの時間くらいで着いてしまう。下北沢界隈に住んでいる人もこのルートを知っておいて損はないだろう。都営バスはこのルートをもっと宣伝したほうがいいとおもう。

(追記)
 後日、東高円寺駅から高円寺駅まで歩く。東高円寺駅まで行かなくても環状7号線沿いの高円寺陸橋のバス停からも新代田駅行きのバスに乗れることがわかった。高円寺駅からだと高円寺陸橋のほうが近い(杉並車庫前からも新代田行きのバスに乗れる)。

2018/10/01

東海道品川宿

 日曜日、午前中に西部古書開館。台風接近のニュース、電車の遅延情報が流れる中、行くべきか行かざるべきか、悩んだ末、「しながわ宿場まつり」に行ってきた。今年は九月二十九日(土)、三十日(日)の開催だった。おいらん道中は中止だった。

 品川宿は江戸四宿(品川、板橋、千住、内藤新宿)のひとつ。東海道の第一宿場町。ジョージ秋山の『浮浪雲』の舞台も品川宿である。
 岩本素白著『東海道品川宿』(来嶋靖生編、ウェッジ文庫、二〇〇七年)も再読する。素白が「名文家」という知識はあったが、刊行時のわたしは街道や宿場に興味がなかった。だから内容はまったく頭に入っていない。自分の知識の穴ボコはおもっている以上に大きい。でも『東海道品川宿』を刊行直後に買っていた昔の自分のことを褒めたい。
 最近、二十代三十代のころに買った本を再読していると「何も知らずによくこんな本買ってたな」と感心することが多い。選書の「勘」は、今より冴えていた気がする。

 JR品川駅を降りて京急の北品川駅方面に向かって歩く。八ツ山橋のところに品川宿の「みどころごあんない看板」が立っている。ところどころ「お休み処」があるのもいい。

 江戸四宿の中では中山道の板橋宿の旧中山道沿いの商店街に魅了されまくったのだが、品川宿の旧東海道も商店街になっていて歩いているだけで楽しい。車の心配もない。よく考えてみたら、品川駅の外にはほとんど出たことがない。京急その他に乗り換えるときに利用しているだけだった。東海道の宿場町ということも認識していなかったとおもう。
 品川宿、神社とお寺があちこちにある。目黒川にかかる品川橋も趣がある。祭りの期間中ということもあり、品川宿本陣跡のある聖跡公園をはじめ、屋台がいっぱい出ていた。品川宿交流館で「東海道品川宿まち歩きマップ」を五十円で買う。後で気づいたのだが、品川宿交流館は二階では「品川宿の歴史と文化を知る展示室」があった。お祭り期間中で二階にあがれる雰囲気ではなかった。残念。
 当初は、青物横丁駅のあたりまで歩いて、大井町駅からりんかい線で帰ろうとおもっていたのだが、雨が強くなってきたので本日の街道散策は終了——。
 品川駅構内のラーメン屋でとんこつラーメンを食い、高円寺に帰る(駅のガード下に飲食街ができていた)。

 夜、首都圏の在来線は二十時以降運転を見合わせるということで早めに帰ってよかった。