2018/10/16

英泉の墓

 季節の変わり目。気温が急に下がる時期は腰痛になりやすい。近所、薬局では店頭で貼るカイロを売りはじめた。

 月曜日、高円寺の福寿院に行く。杉並第八小学校の隣だが、学校側からではなく、長善寺のほうからまわったほうが近い。杉並第八小学校周辺は行き止まりが多く、いまだによく迷う。
 福寿院に入り、掃除をしていた女性に池田英泉の墓を訊こうとしたら、お寺の裏のすぐ近くあった。英泉の墓は明治四十年に四谷から福寿院に移転してきた。

 英泉のことは西部古書会館で買った『歌川広重没後一三〇年 木曾街道六十九次展』(リッカー美術館、一九八八年)で知った。わたしの好きな塩尻嶺の絵は英泉の作だ。最近、古書会館で買った『江戸おんな百景 英泉浮世絵展』(東京新聞事務局、一九七二年)を読み、ますます英泉が好きになった。
 英泉は十九、二十歳ごろから美人画を描きはじめたが、「四十歳前後になると彼の行状は甚だしく乱れた」とある。我を忘れて酒を痛飲し、酔って乱れ、多くの人に迷惑をかけたらしい。

 福寿院を出て、桃園川緑道を通って阿佐ヶ谷へ。文房具屋でパラフィン紙を買おうとしたら「もう取り扱っていない」といわれる。
 北口の嵯峨谷でそばを食い、久しぶりに穂高書房に寄る。『山と渓谷』の一九八七年十二月号「特集 辻まことの世界」を買う。この号のことは知らなかった。店内、本が増えすぎてレジまで辿りつけない。店の外で会計してもらう。三十年以上前の雑誌、キューピーマヨネーズのミニ・パックとかやたらとデカいカメラとかの広告もおもしろい。北八ケ岳の山荘の「長期小屋番・アルバイト」も気になる。

 阿佐ヶ谷からガード下を通って高円寺に帰る。

 家に帰ると『フライの雑誌』が届いていた。大特集「水面(トップ)を狙え!」。タイトルの元ネタ、わかるかなあ。