2018/10/01

東海道品川宿

 日曜日、午前中に西部古書開館。台風接近のニュース、電車の遅延情報が流れる中、行くべきか行かざるべきか、悩んだ末、「しながわ宿場まつり」に行ってきた。今年は九月二十九日(土)、三十日(日)の開催だった。おいらん道中は中止だった。

 品川宿は江戸四宿(品川、板橋、千住、内藤新宿)のひとつ。東海道の第一宿場町。ジョージ秋山の『浮浪雲』の舞台も品川宿である。
 岩本素白著『東海道品川宿』(来嶋靖生編、ウェッジ文庫、二〇〇七年)も再読する。素白が「名文家」という知識はあったが、刊行時のわたしは街道や宿場に興味がなかった。だから内容はまったく頭に入っていない。自分の知識の穴ボコはおもっている以上に大きい。でも『東海道品川宿』を刊行直後に買っていた昔の自分のことを褒めたい。
 最近、二十代三十代のころに買った本を再読していると「何も知らずによくこんな本買ってたな」と感心することが多い。選書の「勘」は、今より冴えていた気がする。

 JR品川駅を降りて京急の北品川駅方面に向かって歩く。八ツ山橋のところに品川宿の「みどころごあんない看板」が立っている。ところどころ「お休み処」があるのもいい。

 江戸四宿の中では中山道の板橋宿の旧中山道沿いの商店街に魅了されまくったのだが、品川宿の旧東海道も商店街になっていて歩いているだけで楽しい。車の心配もない。よく考えてみたら、品川駅の外にはほとんど出たことがない。京急その他に乗り換えるときに利用しているだけだった。東海道の宿場町ということも認識していなかったとおもう。
 品川宿、神社とお寺があちこちにある。目黒川にかかる品川橋も趣がある。祭りの期間中ということもあり、品川宿本陣跡のある聖跡公園をはじめ、屋台がいっぱい出ていた。品川宿交流館で「東海道品川宿まち歩きマップ」を五十円で買う。後で気づいたのだが、品川宿交流館は二階では「品川宿の歴史と文化を知る展示室」があった。お祭り期間中で二階にあがれる雰囲気ではなかった。残念。
 当初は、青物横丁駅のあたりまで歩いて、大井町駅からりんかい線で帰ろうとおもっていたのだが、雨が強くなってきたので本日の街道散策は終了——。
 品川駅構内のラーメン屋でとんこつラーメンを食い、高円寺に帰る(駅のガード下に飲食街ができていた)。

 夜、首都圏の在来線は二十時以降運転を見合わせるということで早めに帰ってよかった。