2016/10/05

気がつけば、十月

 衣替えの準備はしているが、いまだ夏服ですごしている。涼しくない。というか、蒸し暑い。怠い。
 二十代のころは、十月の中旬くらいにはコタツ布団を出していた記憶がある。

 九月から生活リズムがおかしくなり、どうにか修正を試みているのだが、うまくいかない。先週買った古本が袋にいれっぱなしのまま、仕事に追われる日々。何を買ったかもう忘れた。さらにずっと前に買ったまま忘れていた本を今読んでいて、仕事がはかどらない。よくあることだが、何をやっているのかという気分になる。

 部屋の掃除をしていたら、『編集会議』の二〇〇四年十二月号が出てきた。巻頭特集は「フリーライター大研究」。

 パラパラと読んでいたら、大下英治さんの「『いずれ何かを書こう』と思っている程度では、自分の時間は作れない。書くテーマすら見つからないですね。そういう人は、毎日ゴールデン街で朝まで飲んで、酔っぱらって体を悪くして終わっていく」というコメントがあった。

 フリーランスは勤勉でなくてはいけない。とはいえ、それだけではつまらない。人生の一時期、後からふりかえって笑えるていどの失敗を経験しておくことも必要かも……。仕事をせず、金がないのに毎晩飲み明かしていた日々がちょっと懐かしい。