寒い寒いとぼやいているうちに二月。外は雪。雨や雪の日はアーケードの商店街やガード下を歩くことが多い。
先週土曜日、西部古書会館(初日は金曜だった)、『出雲と都を結ぶ道 古代山陰道』(島根県立古代出雲歴史博物館、二〇二二年)、『中村草田男と石田波郷』(松山市立子規記念博物館、一九八五年)など。山陽道と山陰道を結ぶ道は「陰陽連絡路」と呼ばれていることを知る。
古書会館のあと、午後二時すぎから妙正寺川散歩。鷺ノ宮周辺をうろつき、中野区と杉並区の境を越え、妙正寺公園(この公園内の妙正寺池が妙正寺川の源らしい)、荻窪駅まで歩いて電車で帰る。家を出てすぐは億劫でも歩いているうちに元気になる。体温が上がって脳が活性化するからか。
アニメ『SSSS.GRIDMAN』(円谷プロダクション、二〇一八年)の舞台は架空のネリマ市だが、鷺ノ宮駅や荻窪駅の周辺の風景、善福寺川っぽい川も出てくる(昨日、全十二話を視聴したばかり。作画がすごい)。自分の夢に出てくる町もこんなふうにいろいろな場所が混ざっていることがある。
漫画やアニメの架空の風景にはモデルになっている場所があったりなかったりする。知らず知らずのうちにそうした景色が記憶に残っていて、そこを訪れた途端、ふと思い出す。デジャヴ(既視感)と呼ばれる現象にはそういうこともあるのではないか。
はじめて訪れたはずの町なのに「あれ? この場所、来たことがある」と錯覚するのは、映画やドラマ、なんとなくつけていたテレビで見た(忘れていた)景色の記憶が呼び覚まされた——のかもしれない。