今月、五十五歳になる。『サザエさん』の波平は五十四歳という設定なので、彼より年上になる。昔なら定年である。思い返すと、十九歳で上京してから、人生の大半といっていいくらいの時間、本を探すこと、本を読むことに費やしてきた。三十数年、古本屋通いをしていると、何度となく低迷期も味わってきた。未知の本への渇望が薄れ、単行本で持っている本の文庫版を買うとかまたその逆とか、手持のものより状態のいい本(帯付など)に買い直すとか、そんなことをやって、新規開拓欲がわいてくるまでやりすごす。
日曜、蔵書の整理を中断して散歩。中通りのミュージックストリートでいくつかバンドを見る。野外なのに音がよくて気持いい。夕方、塚本功さんが出演する店の前の路地を通ったのだが、満席で入れそうにない。そのまま散歩する。薬局で貼るカイロを買う。レジで店の人に「貼らないタイプですが、いいですか」と聞かれる。貼るほうに交換してもらう。
ちょっと小雨。左の手のひらがすこし痺れが出て、さらにピリっと痛みが走ったので、のんびり過ごすことにした。手のひらに気休めの湿布を貼る。治まる。
牛のさがりで牛丼作る。『瑣末事研究』の福田賢治さんが米を作っている。この米がうまい。高松に移住前から農業がしたいといっていたが、趣味の範囲かとおもっていた。年々、畑が広くなり、もはや農家である。
終わりの見えない大掃除。街道から古典(これも街道絡みなのだが)に至り、部屋の動線を失う。図録は場所をとる。しかしなぜか買ったときの満足感が大きいのも図録なのだ。手元にあると嬉しいのだ。
新聞や雑誌の切り抜き、自分の検索能力が衰えると何の役にも立たない。情けないけど、仕方がない。捨てようとおもって紙袋から出すと面白い(二十年くらい前のフリーター関連の記事など)。面白いから捨てられない。しかし収容スペースは限られている。
押入に入れっぱなしだった不要なもの、壊れた家電などを処分しようと「杉並区 粗大ゴミ」と検索。以前、インターネットで申し込んだことがあるのだが、申し込みの画面から先に進まない。電話で申し込む(丁寧な対応)。リサイクルショップで激安で買ったタワー型の扇風機、処分費のほうが高い。そういうこともある。