2024/11/07

頭に入らない

 三日、朝から掃除。夕方、馬橋小学校盆おどり。ちょこっと顔を出す。クックロビン音頭。両手を前に出すふりしかおぼえていなかった。自分の記憶よりテンポも早かった。

 日本シリーズは横浜優勝。MVPは桑原将志選手。知り合いに横浜一筋のファンが何人かいるのだが、桑原選手の人気はすごい。おっさん野球ファンは体を張ったプレーをする選手に弱い。わたしも弱い。いっぽう自分の生き方に関しては、無理せずケガせず疲れをためず静かに暮らしたい。若いころはこんなに平穏かつ安楽を望む人間になるとはおもわなかった。

 アメリカ大統領選の前に『最後のコラム 鮎川信夫遺稿週集103篇』(文藝春秋、一九八七年)などを再読。『最後のコラム』の「アメリカ連邦議員選挙」(一九八六年)にはこんな記述がある。

《同じ民主国でも、米国の選挙はわかりにくい。すべての点で日本の選挙とはあまりにもかけ離れているから、一度や二度聞いたくらいでは、とても頭に入らない》

《民主党はリベラル、共和党は保守、と考えがちだが、そうした固定観念でみると、しばしば間違いを犯す》

 このコラムが書かれたころのアメリカ大統領はロナルド・レーガンだが、鮎川信夫は「レーガンでさえ、リベラルではないかと疑われるところは、いくらでもある」と述べている。レーガンはハリウッドの労組の委員長をつとめていたこともある。アメリカの共和党の政治家はリベラルからの転向者がけっこういる。

 わたしのアメリカの政治に関する情報の更新は滞っている。日本でアメリカのコラムニストの翻訳が盛んだったのは一九九〇年代半ばまで……。

 ここまで書いて仕事に出かける。外出先でドナルド・トランプの勝利宣言のニュースを見る。結果がわかるのは翌日の朝か昼くらいかなとおもっていた。選挙後、(わたしが見たニュースでは)共和党支持者だけど、トランプに投票しなかった人の意見は取り上げていたが、民主党支持者でカマラ・ハリスに投票しなかった人の意見は報じなかった。そこを取材して掘り下げていれば面白いとおもうのだが。トランプ支持者を「教育水準が低い」「高卒」と指摘する人もいるが、彼らのまわり(親兄弟親戚知人)には中卒や高卒の人がいないのだろうか。いつになったら、こうした発言が有権者の半数以上を占める人たちの強い反感を買っていることに気づくのか。

 そんなことをあれこれ考えながら掃除を続ける。