仕事漬けの一週間、ようやく峠が見えたかんじだが、月の湯の古本市に間に合わず。
でもすこしだけ打ち上げには参加した。
ブックマーク・ナゴヤの本も返ってきた。売り上げ冊数は一二一冊(補充あわせて二〇四冊中)だった。六割ちかく売れた計算になる。といっても、ほとんど三〇〇円〜五〇〇円の本。
初心にかえり、自分が買ってもいいとおもう値段にしたのがよかったのかもしれない。でもなんといっても、自分の好きな作家の本が売れるのはうれしい。
尾崎一雄と吉行淳之介は、あわせて二〇冊くらい出しほとんど完売。やっぱり、一冊読むと、ほかの本も次々と読みたくなるような中毒性のある作家は強い。
そういう文章が書けるようになりたいとおもう。
その作家の声がするような文章が好きだ。上手いにこしたことはないのかもしれないけど、それだけではすぐあきてしまう。
最近、好きなのは滝田ゆうの文章かなあ。
《先ず、深ァーく息を吸ってェー、それからハイ、肩の力を抜いて「フホー……」と息を吐き出す。これ深呼吸みたいだけど、そうではありません。溜息です。
その思わず出る溜息のもと。金欠病。まったくふところ具合が淋しいというのはいやですね。眼にうつる、まわりの風景までも、やたら淋しく見えてくる》(「聖しこの夜」/滝田ゆう『昭和夢草紙』新潮社)
天才としかいいようがない。
もうすこし続きを書きたいけど、これから出かけます。