……京都、三重、岐阜と四泊五日の旅。
十五日、メリーゴーランド京都で岡山在住の写真家の藤井豊さんと待ち合わせし(MI AMAS TOHOKUという東北フェアの最終日だった)、そのあと六曜社で扉野良人さん、「吉田省念と三日月スープ」の吉田省念さん、「ZING」という活動をしている吉田朝麻さんらと合流する。
翌日は、藤井さんといっしょに下鴨古本まつりに行って、昼はカナートで寿がきやのラーメンを食い、夜、五山の送り火(船形と左大文字)を見る。
十七日、三重に帰省し、鈴鹿ハンターでゑびすやでかやくうどんを食い、衣類と食材(田舎あられ、コーミソースなど)を買い、港屋珈琲で休憩する。すぐ隣のマルヤスで袋入りのSugakiya和風とんこつラーメンを買う。
両親の家から歩いていけるところに喫茶店ができたのはありがたい。
郷里にいたころは、平田町駅のちかくにあったドライバーという喫茶店に父といっしょによく通っていた。上京後しばらくして閉店してしまったのだけど、今でも中南米系の酸味の強いコーヒーの味が忘れられない。トースト(厚切)とピラフもうまかった。
十八日、岐阜の徒然舎で古書善行堂の山本善行さんと夏葉社の島田潤一郎さんのトークショーを見る。東京からトマソン社(ミニコミ『BOOK5』好評発売中)のu-sen君と豆ちゃんも参加。
岐阜駅の前をうろうろしていたら、五っ葉文庫の古沢さんに遭遇し、車で市内の自由書房、岡本書店、我楽多書房を案内してもらう。
山本さんは古本屋、島田さんは出版社をはじめて三年。
古本に半生を捧げてきた山本さんが、古本屋になってからの心境の変化をいろいろ聞けてよかった。
詳細は、いずれ山本さんの著書その他で語られる日がくるとおもうので割愛。
上京して二十数年、中央線沿線に暮らし、週に数日は神保町に通う生活をしていると、活字にたいする飢えのようなものがどんどん薄れてくる。疲れていると古本屋の前を素通りしてしまうときもある。
見るものすべてが新鮮におもえる時期はいつかは過ぎ去る。
二十代のころとは本の読み方も変わった。
一冊一冊の本を味わうだけでなく、昔の本を読むことで、今のことを五十年、百年という時間の単位で考えることができるようになるのではないか。
帰りの電車の中でそんなことを考えた。