2013/02/27

横浜散歩

 土曜日、横浜。黄金町のたけうま書房に行って、三、四年ぶりに伊勢佐木モール界隈の古本屋をまわる。

 たけうま書房に行くのは二度目だから地図なしでも行けるとおもっていたのだが、もより駅が日ノ出町か黄金町だったか、電車の中でわからなくなってちょっと焦った。
 奥野信太郎著『寝そべりの記』(論創社、一九八四年刊)、『松永伍一対談集』(家の光協会、一九七八年刊)、永六輔著『死にはする 殺されはしない』(話の特集、一九七六年刊)などを買う。

 ひさしぶりに有隣堂にも寄った。昨年末、通りすぎてしまった有隣堂の前の古本のワゴンセールもじっくり見る。

 今後は、古本屋をまわるだけでなく、訪れた町も楽しみたい。
 横浜にはちょくちょく行く用事があるのだが、土地勘はほとんど身についていない。

 旅先であれば、自然と古本屋以外にもその土地その土地の知り合いと飲んだり、あちこち回ったりする。
 ところが、近郊の古本屋だと、本を買って喫茶店で休憩して、すぐ帰ってしまう。

 商店街の店、近くにあるお寺や公園に寄る。海や川があればそれを見る。行きに降りた駅とはちがう駅まで歩く。
 もうすこし非効率な古本探しをしたほうがいい気がしている。

 たぶん、冬ごもり中、インターネットで古本を買いすぎた反動だとおもう。

2013/02/20

みちくさ市トーク

来月3月16日(土)、17日(日)に
第19回鬼子母神通りみちくさ市が開催されます。

商店街の軒先を借りて、古本や雑貨を販売——。
初日はわめぞの古本市(12時〜16時)、
2日目は古本フリーマーケット(11時〜16時)があります。

17日(日)には倉敷・蟲文庫の田中美穂さんと対談します。

(みちくさ市トーク)

◎荻原魚雷「古本流浪対談」
第1回ゲスト 田中美穂さん(蟲文庫)

■日時 2013年3月17日(日)
■時間 15:30〜17:00(開場15:10〜)
■会場 雑司が谷地域文化創造館・第2、第3会議室
■入場料:1000円 ※当日清算

ご予約はメールアドレス wamezoevent1■gmail.com(■=@)

メール件名に「魚雷トーク予約」、本文に「お名前」「人数」「緊急の電話連絡先」
をご記入の上お申し込みください。

くわしくは、
http://kmstreet.exblog.jp/18596741/

雑記

 『小説すばる』、今月号から北大路公子の「日記を書くためだけに生まれてきた」という連載がはじまった。

《酒を愛し、仕事をさぼり、妄想だけをし続ける——ろくでなしエッセイストが綴る、日記という名の屁のツッパリにもならない女の慟哭にこそ、真実はある(のか?)》

 北大路公子の「日記」は、虚実いりみだれまくって、ある種のファンタジー(単なる酩酊かもしれないが……)のような世界を築き上げている。

 新刊では、福満しげゆき著『僕の小規模な経済学』(朝日新聞出版)を読了。『グラグラな社会とグラグラな僕のまんが道』(フィルムアート社)の路線のエッセイ。ひがみっぽい独特な文体も味わい深い。“氷河期世代”による社会時評としても読める。

 あと能町みね子著『逃北〜つかれたときは北へ逃げます』(文藝春秋)が気になる。たぶん買う。

2013/02/14

「安心」のかたち

 東日本大震災と原子力発電所の事故から一年十一ヶ月ちょっと。
 わたしの日常は元に戻った。もしかしたら、すこし退行してしまったかもしれない。
 古本読んで、酒飲んで、ぐだぐだ、だらだらすごしている。この間、震災や原発に関する本はいろいろ読んだ。でも読めば読むほど、考えることが増え、混乱した。

 原発事故の半年後くらいまでは、食の安全うんぬんについても神経質になったけど、プータローの延長のような生活をしている身としては、日々の食事にありつけるだけでもありがたいというおもいもあり、だんだんどうでもよくなってしまった。非科学だろうが何だろうが、うまいとおもいながら、楽しく食うのがいちばんいい——わたし自身はそういう考えに落ち着いた。
 なげやりな結論だという自覚はある。

 五十嵐泰正+「安全安心の柏産柏消」円卓会議著『みんなで決めた「安心」のかたち ポスト3・11の「地産地消」をさがした柏の一年』(亜紀書房)という本を柳瀬徹さんが作った。

 柳瀬さんはまだ書店員だったころからの知り合いで、その後、いくつかの出版社を転々とし、今はフリーランスになっている。

 いい本、作ったなあ。
 原発事故の後、おそらく多くの人がかんじたであろう「不安」にたいし、誠実に解決策を見つけようとした本ではないかとおもう。

 あらゆる健康情報にもいえることだが、万人にとっての「正しさ」はありえない。

 「安全(安心)かどうか」にたいして答えを出す。どちらの答えにも賛成する人、反対する人がいて、どちらの立場を選んでも、別の陣営から批判される……インターネットの掲示板では、そんな光景をずいぶん見かけた。中には穏当な意見もあったが、気持が荒むようなやりとりに埋もれがちだ。

 『みんなで決めた「安心」のかたち』を読むと、メンバーが重視したのは「さまざまな立場の人たちが『折り合える』ことであった」という。

《もちろん私たち円卓会議は、地域の生産者を無条件に「買って応援」しようという運動ではない。原発事故直後から続く行政や生産者団体による情緒的な「買って応援」キャンペーンが、不信と反感を招いてしまったという批判的認識を円卓会議では共有している。だからこそ円卓会議は、消費者が安心して地元野菜を消費する前提となる、科学的で納得感ある地元野菜の安全性の測定方法の確立に、苦心して取り組んできた》

 地元で暮らしていくために、どうすれば、食にたいする放射能汚染の不安を解消することができるか。専門家のあいだでも意見が分かれる問題にたいし、農家、流通、飲食店、消費者といった立場のちがいをこえ、手間暇惜しまず、知恵を出し合い、着地点を探す。

 同時に、その方針や基準を押し付けることを慎重に避けてようとしている。

 新鮮でおいしい野菜を作り、地産地消を根づかせようとしてきた人たちが、どうしてこんな苦労を強いられなければならないのか。そのことを考えると、やりきれない気持にもなる。

2013/02/04

ふらっと通り

 先月末、金沢在住のミュージシャン、杉野清隆さんのアルバム『ふらっと通り』発売記念ライブ(高円寺ペンギンハウス)に行く。

 ここ数日、ずっと『メロウ』と『ふらっと通り』を交互に聴いていた。穏やかで滋味のあるアコースティックサウンドで、ぐったりしていることが多い身としては、こういう音楽があると助かる。
 からだに音楽をたっぷりしみこませ、無駄を削ぎ落とし、絶妙に力を抜いているかんじが何ともいえない。
 
 この二枚のCDジャケットは、山川直人さんが手掛けている。
            *
 三月までは、腰痛にならないこと、酒を飲みすぎないことを目標に、ひたすら安全運転を心がけている。
 順調にからだが鈍りまくる。一年を無事にのりきる方法を模索し続けた結果、今のような生活になった。

 その間、歩行禅と瞑想の研究をする。

 ごろごろしながら、須賀章雄著『貧乏暇あり 札幌古本屋日記』(論創社)を読む。
 まんだらけの札幌店がオープンし、その社員アルバイトの情報知って、大山昇太(松本零士『男おいどん』)のコスプレ店員として雇ってもらう妄想をするところが琴線に触れた。
 午前中に起きたり、夕方起きたり、起床時間がめっちゃくちゃなのもおもしろい(わたしもだが)。

 本を読んでいるといろいろ読みたい本が出てくるのだが、本を買うためには本を減らさなければならない。そうしないと本の買い控え状態に陥り、気が滅入る。
 今月中になんとかしたい。