炊飯用の土鍋の蓋のつまみの部分が取れてしまった。上京して最初に仕事したPR誌の編集部でもらった。ラーメンの丼や小鉢もいっしょに。丼と小鉢は今も使っている。
土鍋はふつうの鍋やおでんのときにも重宝していた。
「土鍋 蓋 修理」で検索したら、蓋が壊れて困っている人がけっこういる。道具は使い続けていると愛着がわいてくる。今の感情に名前をつけるとすれば、「土鍋ロス」だ。なんとか修理できないかと考えたのだが(ガラス蓋で代用することも考えた)、三日悩んだ末、新しいものを購入することにした。
新しい土鍋の火加減、水加減が把握できず、おもいどおりに炊けない。火をかけて蒸気口が吹いてきたら十分、火を止めて十分——同じようにやってみても炊き上がりのかんじがちがう。味もちがう。慣れるしかないのか。