六日、西部古書会館。今年の古本はじめ。これから取り組みたいテーマがはっきりしないまま棚を眺める。そういう時期もある。
わたしは子どものころから冬が苦手だった。気温が十度以下になると、壊れたロボットみたいになってしまう。
部屋を暖め、カイロを貼り、それなりに防寒対策はやっているが、寒いのはつらい。頭がまわらず、寝てばかりいる。とりあえず、冬をのりきることに専念したい。
文芸(にかぎった話ではないが)の世界には「調和型」と「破滅型」という区分があるけど、そのどちらでもない「怠惰型」の作家もいるようにおもう。
性格は温厚で、見た目はマジメそうなのに、集団生活が苦手な社会不適応者はけっこういる。
体力がなく、疲れやすい人もそうかもしれない。
《も少し弱くなれ。文学者ならば弱くなれ。柔軟になれ。おまえの流儀以外のものを、いや、その苦しさを解るように努力せよ。どうしても、解らぬならば、だまっていろ》
これは太宰治の言葉。ひさしぶりに読み返した。「如是我聞」ですね。
「も少し強くなれ」ば、生活は改善されるのかもしれない。ただ、強く、丈夫になることで失ってしまう感覚もある……ような気がする。