2020/12/22

街道と路

 先週の火曜日から貼るカイロ生活がはじまった。防寒と腰痛予防である。今年の春先に買ったカイロがまだ残っている。
 一年経つのが早い。しかし昨年の十二月はけっこう昔のことにおもえる。今年は時間の流れ方が変だった。

 火曜日、座・高円寺「本の楽市」(十二月十九日~二十五日)に行く。
 植田正治=写真、石塚尊俊=文『出雲路旅情』(朝日新聞社、一九七一年)などを買う。朝日新聞社のカラーシリーズは『飛騨路の四季』や『花の大和路』といった街道本もある。

 街道の本を探すさい、信濃路や木曽路の「路」の字は重要なキーワードだ。どれだけあるのかわからない。さらに宿場町の本も膨大にある。知れば知るほど、未知の本が増えてゆく。

 出雲は一度だけ行ったことがある。青春18きっぷで東京から博多まで行って、帰りも18きっぷで日本海側の町をあちこち途中下車しながら新潟へ——四泊五日の旅だった。たしか福岡ドームがオープンした年だから一九九三年だ。球場でホークスの試合を観たが、記憶がない。

 そのころ二十五歳までに四十七都道府県を踏破するという目標を立てていた。予備校のPR誌の仕事でいろいろな講演会やシンポジウムを原稿にまとめる仕事をしていて、北海道から九州まであちこち出かけた。ついでに古本屋と中古レコード屋をまわった。もっと早く街道に興味を持っていれば——とおもうが、悔やんでも仕方がない。古本やレコードを背負って街道歩くのはきつかったにちがいない。