京都、百万遍の古本まつりに行ってきた。前日から「sumus」同人の扉野良人さんの家に泊った。ちなみに扉野さんは学生時代、東京にいたころからの知り合いで、扉野さんが東京にきたときはうちに泊る。
扉野家に行く前に、河原町の六曜社でコーヒーを飲んで、寺町三条アーケードからちょっと横にはいったところにある常盤というそば屋で親子なんばうどんを食べた。
高校生のころから、京都にいくと同じことをしている。
それにしても、つくづく丸善がなくなったのはさびしい。
昨年の十月、元青山ブックセンターの書店員の柳瀬徹さん(現在編集者)と京都にあそびにいったときには、たまたま丸善の閉店の日とかさなった。営業時間終了の瞬間にも立ち合い、柳瀬さんと閉まるシャッターをながめた。
今年の春先には、かつて駸々堂があったあとに入ったブックファーストの京都店もなくなった。
京都に来てあらためて書店業界のきびしさをおもいしる。
河原町から加茂川沿いに出町柳まで歩き、京都大学付近の古本屋を散策。そのあと叡山電車で恵文社一乗寺店に行く。
そこで『天野忠随筆選』(編集工房ノア)が二冊、目の前で売れてゆく瞬間を目撃する。さすがは京都だとおもった。
(……以下、『古本暮らし』晶文社所収)