個人差はあるとおもうが、三十歳をすぎると、いろいろからだにガタがくる。しめきりが重なった翌日は、首を左に倒すと痛い。腰もだるい。一日や二日では治らない。そのまま次の仕事にとりかかる。
つまり、万全な体調で仕事ができることのほうがめずらしいのだ。年に数日あるかどうかだ。
二十代のころのわたしは、調子がわるいと休んだ。調子がわるくなくても、わるくなりそうな予感がすると休んだ。仮病というものは、今はそれほどひどくないけど、ここで休んでおかないと、後々つらいことになりそうだというときにつかうこともある。
わたしにはモンゴルからやってきた二十代半ばのドルジ青年を批判する資格はない。大相撲は巡業が多すぎる。あんなことしていたら力士寿命が短くなるだけだとおもう。
スポーツ選手は、からだが資本だ。心もそうだ。
故郷でサッカーをしていたときの横綱は、ほんとうに楽しそうだった。もちろん、日本相撲協会からすれば、許しがたいことなのかもしれないが、力士を目指す若い人は減るいっぽうだろう。