高円寺の中通り商店街に移転して営業を再開した古本酒場コクテイルにくわえ、駅のちかくの南口のガード沿いの向いにペリカン時代という友だちの店がオープンした。あまりにも居心地のよくて、ついいりびたってしまい、午前三時くらいになっている。
たまに痛飲し、無意味で無駄な時間をすごすことが、明日か明後日くらいの活力につながることもある。
今、本の雑誌社から出る予定の単行本を作っている。編集の宮里潤さんとデザイナーの中嶋大介さんと三人でああだこうだいいながら、あちこちに書いた原稿を集めて、こねまわしながら本の形にしていく作業が楽しくてしかたがない。
ふたりから次々とアイデアが出てきて、自分ではおもいつきもしないような、おもいついても形にできないような形になっていく。「そうきたかー」とおもいながら、毎日、文章を書き直している。
前回の本のとき、ペンで直そうとしてぐちゃぐちゃにしてしまった失敗をふまえて、初校のゲラは鉛筆で直すことにした。すでに真っ黒である。なかなか自分の文章を他人の目で見ることができない。
今回の本の文章はとくにそう。
本と音楽と友人とのたわいない話ばかり書いている。ぐうたらして、不貞腐れて、ときどき何もかもいやになる。そんなときに読みたい本や聴きたいレコードがあり、酒を飲みたい友人がいる。
ありがたいなあ、とおもう。
わたしもそんなときに読めるような本を作りたい。
どこからでも読めるようなコラム集になれば、とおもっている。
本文中には写真やカットもはいる……はず。
順調にいけば、六月末刊行予定。