週末、高円寺の阿波踊り。昼すぎ、太鼓や笛の音で目が覚める。祭りの音でラジオも聴こえないくらい。祭りの期間中、駅のまわりが人だかりができる。午後六時、七時くらいは駅のホームは人でいっぱいで改札を出るまで時間がかかる。
神保町に行って、帰りは中野駅から歩いた。深夜〇時、中央線のガード下がまっすぐ歩けないくらい人がいる。飲み屋が通路にテーブルや椅子を出し、酔っ払いだらけだった。ガード下は、ここ数年でもいちばんの混雑かもしれない。
阿波踊り期間中、西部古書会館で古書展も開催していた。最近、本を買うのが古書会館ばかりになっている。
行きつけの古本屋の棚と自分の読みたい本の傾向が重なる時期と重ならない時期があって、今はズレまくっている。そういうことはよくあるので、あまり気にしない。重なろうが、ズレようが、西部古書会館で買った古本を読む。
二日目の古書会館は、多くの古本好きが買わなかった本が残っている。初日の午前中に行ったほうが、古書価の高い本を安く買える。でも今、わたしが読みたい本はそういう本ではない。自分がこれまで手にとってこなかった本を読みたい。
一九八九年の春に上京して、毎日のように本を買っていた。買った本の半分かそれ以上は手放している。手元にある「未読」の本を読むだけでも何十年かかるかわからない。
自分が知らないこと、考えてこなかったことは何か——これまで手にとってこなかった本の中にその答えがあるのではないか。
古書展の最終日の夕方に売れ残っている本の中にもおもしろい本はいくらでもある。そのおもしろさを見つけるのも古本屋通いの楽しみだ。