2019/05/21

旅の疲れ

 土日、一泊二日で広島の福山、岡山の矢掛宿などを歩く。広島と岡山は写真家の藤井豊さんといっしょに歩いた。福山は井伏鱒二、矢掛は木山捷平と縁のある土地だ。
 以前、木山捷平の生家を訪れたときは、宿場町のほうには寄らなかった。本陣も残っていて、町全体に歴史が根づいている。
 矢掛のことは岡山出身の河田さんからも何度か話を聞いていた。木山捷平の生家付近を見て「矢掛のほうものどかな里山だろう」とおもいこんでいたら「あのあたり街道筋の宿場町があって、昔はすごくにぎわっていたんです」と教えてくれた。
 山陽道は瀬戸内海から離れたところに街道が通っている。翌日は藤井さんが運転する軽トラで昨年の西日本豪雨の被害にあった地域も回った。小田川はずっと見ていたい川だった。

 旅行中、藤井さんはフィルムのカメラを持っていた。藤井さんにはフィルムで写真を撮り続けてほしいとおもっている(たぶんデジカメは合っていない)。
 総社界隈(五重塔がある)を散策したあと、吉備線に乗って岡山駅へ。時間があれば、岡山の吉備路文学館にも行きたかった(以前、行ったことがある)。内田百閒の特別展が開催中だった。
 岡山駅から新幹線で姫路駅へ。
 姫路文学館の望景亭で世田谷ピンポンズの「文学とフォーク」のライブ。姫路のおひさまゆうびん舎主催。
 木山捷平の「船場川」を元にした曲を聴くことができた。木山捷平は姫路師範学校(現・神戸大学)を卒業し、小学校の先生をしていたこともある。姫路と縁がある。
 今、どんどん曲ができる時期なのか。曲の中に世田谷さん自身の固有の記憶が埋め込まれていて、それが詩の核になっているようにおもった。
 姫路の商店街を歩いて、茶房大陸(世田谷さんの歌がある)で焼きミートスパゲティを食べてから在来線で新大阪へ。新大阪から東京で新幹線で帰る。

 姫路は広くて半日では足りない。一泊二日の旅はむずかしい(月曜日の夜、仕事があった)。岡山から姫路に行くあいだの三石という宿場町にも寄りたかった。姫新線にも乗りたかった。こういう心残りはわるくない。また行けばいいのだ。

 いつか岡山と兵庫の県境付近もゆっくり歩きたい。