2019/12/20

独居と余生

 昨晩、飲みすぎ。起きたら午後三時。冬至が近いせいか、夕方四時すぎで、すでに外が薄暗い。久しぶりに丸の内の丸善に行く。中野駅まで歩き、東京メトロ東西線——電車の車内の半分近くの人がマスクをしている。風邪、流行っているのか。車中、都築響一著『独居老人スタイル』(ちくま文庫)の川崎ゆきおのところを熟読する。

《派手に売れたことがないからな。落ちても気楽なもんやで(笑)》

「タバコ代と喫茶店代、それをキープできとったら、なんとか」というふっきれ方が清々しい。
「独居」に焦点を当てているのだが、「老人」と呼ばれる年齢になるまで歌を唄ったり、絵を描いたり、勝手気ままに好きなことを続けてきた人たちの暮らしぶりは、正直、羨ましい。同時に、家賃問題を考えさせられてしまう(この本に登場する独居老人は実家住まいの人が多い)。
 家賃のこともそうだが、とにかく支出が少ない。お金をほとんどつかわないから、そんなに働く必要がない。だから時間がたっぷりある。その時間を存分につかって、他人の評価に左右されない創作(表現)に打ち込む。
 創作の欲求はあっても、(おそらく)作品を多くの人に知ってほしい、共感してほしい——というような欲求がない。
 そうなれたら楽なのだろうか、それとも……。

 そんな考え事をしているうちに大手町駅へ。丸の内オアゾの水山で水山ちゃんぽんうどんを食べるつもりが閉店していた。