2019/12/04

年譜の話

 十二月になった。けっこう暖かい。一日の半分くらいはコタツで仕事か読書という日々を過ごしているが、電源はほとんど切ったままだ。

 講談社文芸文庫の木山捷平の年譜であることを調べていたら、自分の記憶に残っていた記述が見つからない。同じ文芸文庫の『落葉・回転窓』の年譜を見たら、あった。

《一九五六年(昭和三一年)五二歳
 囲碁を始め、生涯の趣味となる》

『木山捷平全詩集』の年譜には、この囲碁に関する一文がなく、その年発表した作品(「耳学問」など)のことや山梨県の増富鉱泉に行ったことが記されている。
 こうした「小発見」はちょっと嬉しくなる。
 今回あらためて木山捷平の年譜を見てみると、五十二歳以降に小説の代表作を書いていることがわかった。

 囲碁の効果なのか。

 五十代になって「生涯の趣味」をはじめるのもわるくない。