2019/12/27

ああ眠い。

 すこし前に西部古書会館で永倉万治著『屋根にのぼれば、吠えたくなって』(毎日新聞社、一九八八年)を買った。角川文庫版は持っていたが、単行本も欲しくなったのだ。帯付の美本だった。二百円。『サンデー毎日』の連載だったんですね。

 永倉万治は一九四八年一月生まれだから、この本が出たころ、四十歳。連載時期は三十代後半だった。
『屋根にのぼれば、吠えたくなって』で一番好きなエッセイは「眠い。ああ眠い。」だ。

《なんでもいい、うんざりするくらい眠って、のん気に暮らしながら、しかもぼう大な仕事をやれる方法があったら知りたい。いやそうじゃないな。仕事はほとんどしないで、楽しく暮らす方法はないか。結局、いつでもそのテーマに降りていってしまう》

 このテーマに関してはわたしも二十代半ばから四半世紀ちかく思索を続けている。裕福な暮らしは望まない。食べていければいい。自分のペースで働いたり、休んだりしたい。ただ、その塩梅というか匙加減というかバランスがむずかしい。
 三十歳のころは四十歳になったら、四十歳のころは五十歳になったら、そういう生活を送れるようになることを望んでいた。
 好きな時間に寝て起きて、気が向いたときにちょこちょこっと仕事して、夜は近所の飲み屋に行って、眠くなったら寝る。そんなかんじで生きていけないものかと……。

 ほかにも永倉万治は「眠ること」や「休むこと」をテーマにしたエッセイを何本か書いている。

 睡眠と休息は、エッセイにおいて重要なテーマである。今日わたしはそのことを確信した。