五十代になる——そのすこし前から大きな目標とかゴールとかではなく、一区切りを目指して日々を過ごすようになった。
週の仕事が終わったら一区切り、月の仕事が終わったら一区切り。区切りながら続ける。
十一日、休日(山の日)。夕方神保町、小諸そば、神田伯剌西爾。小諸そばでは季節メニューの「健康オ野菜ぶっかけそば」。ここのところ、神保町から足が遠のいていて伯剌西爾のコーヒーも三週間ぶり。うまい。
この日、均一で『週刊日本の街道』(講談社)の「甲州道中」の「1」を見つける。「甲州道中」の「2」は西部古書会館ですでに買っていたのだが、なぜかそのとき「1」がなかった。他にも『日本の町並み 宿場町を満喫する』(学研、二〇〇五年)も同じ店の均一にあった(『週刊パーゴルフ』の別冊)。『日本の町並み』は全三十巻のシリーズだが、ほしかったのはこの巻のみ。東海道の関宿(三重)、北国街道の海野宿(長野)も大きく紹介している。
『日本近代文学の巨星 漱石と子規展』(サンケイ新聞社、一九八四年)はなんとなく家にあるような気がしたけど、買った。やっぱり、あった。この数年、文学展パンフの重複買いは何冊目だろう。これも勉強である。
帰り九段下方面、昨年十二月にオープンした「BOOK HOTEL 神保町」をちらっとのぞく。南(東南)からの風がちょっと気持いい。
話は変わるが、今月、高円寺駅北口の日高屋が閉店した(新高円寺店はまだある)。深夜、店の前で工事の貼り紙を読んでいたら、近くを歩いていた二十代前半くらいのカップルも立ち止まり、男性のほうが「マジか」と声を出した。北口の日高屋、けっこう繁盛していたのだが……。
翌日、新高円寺を散歩していたとき、青梅街道をはさんだ向いのドトールのシャッターが下りていて、貼り紙のようなものが見えた。日高屋の件もあったから、ちょっと不安になったが、お盆休みだった。よかった。
高円寺の喫茶店でいうと、北口の琥珀が閉店して以降、いわゆる行きつけの店を失った。打ち合わせや取材で利用する店はいくつかある。散歩のついでにふらっと入って、好きな味のコーヒーが飲めて、一服できて、文庫本を数十頁読み、気分転換できる店——高円寺だとグッディグッディ、ちびくろサンボ、琥珀だった。
このブログは二〇〇六年八月にはじめた。最初は十年くらい続けようとおもったが、いつの間にか十六年になった。まだ続ける。