2022/08/31

やり直し

 睡眠は充分とれていてるのだが、どうもやる気が出ない。家でごろごろしていたい欲が強すぎるのかもしれない。
 気晴らしにライトノベル原作のファンタジー漫画を何冊か読む(自由研究)。ここ数年、「やり直し」というジャンルが流行っている。「悪役令嬢」ものにその系譜が多い。

 ヒロイン(だいたい名家のお嬢様)は過去の悪逆非道な行為によって処刑される。あるいは婚約者や身内に裏切られ、命を落としそうになったり、国外に追放されたりする。気がつくと記憶を持ったまま子ども(〇歳から十五歳くらい)に戻っている。また何かのきっかけで転生前の記憶を思い出し、「ここはゲーム(小説、アニメ)の世界だ」と気づき、ゲームの世界で自分は悪役だったことを自覚する。そして破滅ルートに乗らないよう、稼ぐ手段を身につけたり、友好な人間関係を築こうとしたり、真面目に(約)二度目の人生を「やり直す」。

 近い将来、家の没落や身の破滅に追い込まれるかもしれない主人公がどうやってピンチを回避するか。
 あるヒロインは一度目の人生で婚約破棄された王子様ではなく、隣国の王子の元に行く。財政や教育など、領地改革に取り組み、家の没落を回避しようとするヒロインもいる。

 あのときこうしておけば、もっといい人生になったかもしれない。子どものころに戻って、正しい選択をする、人並外れた努力をする。そうすれば……。そういう作品が数え切れないくらい刊行されているのは、多くの人が今の人生や境遇にたいし、どうにか軌道修正したいと願っているからだろう。

 年をとればとるほど修正はむずかしくなる。「やり直し」系の主人公たちは未来を知っている。フィクションではなく、現実の世界であっても、未来予測は可能である。今の自分が望まない未来を変えることもできる……と考えながら、一日中だらだらしていた。