土曜、二週間ぶりの西部古書会館。『きしゃ 汽車 記者の30年 レイルウェイ・ライター種村直樹の軌跡』(「情報ステーション」編集部、二〇〇三年)、『地図 空間表現の科学』(特集「井上ひさしの文学と地図」、日本国際地図学会、二〇一一年)、大阪鉄道管理局の国鉄の定規(二十四センチ、制作年不詳)など。今回は地図、鉄道関係の本が充実していた。
『きしゃ 汽車 記者の30年 レイルウェイ・ライター種村直樹の軌跡』は「レイルウェイ・ライター30年の歩み」という年譜が五十八ページもある。
一九三六年三月滋賀県膳所生まれ。滋賀に生まれ育ち、一九五八年、京大在学中に家の都合で京都に転居。翌年、毎日新聞大阪本社入社、同年、高松支局勤務(天神前に下宿)。一九六一年、大阪本社社会部、一九六六年中部本社報道部。そのあと東京本社社会部勤務を経て一九七三年三月、毎日新聞社退社。フリーのレイルウェイ・ライターになる。三十七歳。
種村直樹の子ども(長女・次女)の名前が「ひかり」と「こだま」と知る。鉄道ファンの間では有名らしい。種村直樹の自伝風の作品を読んでみたくなった。気長に探す。
日曜、大和町八幡神社のち妙正寺川、マルエツ中野若宮店に寄り、鷺盛橋を渡って早稲田通りを散歩する。鷺盛は「ろせい」と読む。何度となく渡っている橋なのに、ずっと「さぎもりばし」とおもっていた。
鷺宮に「さぎプー」というご当地キャラクターがいることを知る。
鳥のマスコットを見ると、つば九郎のことを考えてしまう。
半年前、一年前くらいに自分が何をしていたのか。何を忘れ何をおぼえているのか。十年一日のごとく同じような日々を過ごしていると、忘却のスピードは早まるばかりだ。せめて読んだ本のメモくらいはしておきたいと考えているのだが、それも忘れる。
年をとるにつれ、身体の感度が衰える。たとえば喉の渇きが鈍くなる。冬のあいだ、コタツで本を読んだり、仕事をしたりしていると、目がかすんできて、手のひらがしびれてくる。軽い脱水症状か。そうなる前にお茶かなんか飲めばいいのだが、つい忘れる。
散歩中、けっこう汗をかいたなとおもっても、水分補給せず、そのまま歩き続けてしまう。これもよくない。
喉が渇いてなくても水を飲む(もちろん飲み過ぎないよう注意する)。疲れてなくても休む。
「体を声を聞く」みたいな教えが好きなのだが、年をとると体感が誤作動を起こしやすくなる。若いころもしょっちゅう誤作動していたのかもしれないが、気力や体力で乗り切れた。中年老年はそうもいかない。
四十代以降、文章もケアレスミスが多くなった。たぶん読み間違えも増えている(時系列や人名を混乱しがち)。書く速度と読む速度を落とそうと心がけているが、それもすぐ忘れる。
(付記) 今回も「渇く」を「乾く」と書いていた。訂正した。