疲れがたまっている気がしたので、洗面器にシャンプーと石鹸とタオルをいれて、ひさしぶりに高円寺の小杉湯(木曜定休)に行った。土曜日は変わり湯なのだが、この日はゆず湯だった。もちろんいつも通りミルク風呂もある。
今、銭湯の値段は四三〇円だけど、わたしが上京した平成元年は二八〇円、しばらくして二九五円になった。当時は回数券を買っていた。高円寺で最初に住んだアパートも、その次に住んだアパートもなみの湯(土曜定休)と小杉湯の近くで、いずれの銭湯も深夜一時すぎに終電で帰ってきてもまだ営業しているので、ずいぶんお世話になった。
自由業の特権をいかして平日の午後三時半に銭湯に行くと、多少いやなことがあっても、こんな時間にのんびりお湯につかれるんだったら、まあいいかなという気分になる。
湯船につかりながら、「これからどうしようかなあ」なんてことをかんがえた。
もちろん風呂上がりにすることといえば、酒を飲む以外ない。