2010/10/20

近況と雑感

 西荻窪(北口)のなずな屋(紙モノ・古本の店)で「文壇高円寺の古本棚」コーナーをつくってもらいました。
 今は棚一段分ですが、すこしずつ本を補充していく予定です。

 昨日も一昨日も仕事、古本屋、飲み屋をぐるぐるぐるぐる。そのサイクルから喫茶店がぬけている。
 古本屋と飲み屋と喫茶店に行くことが仕事の活力になっている。今は三分の二の活力で仕事をしているわけだ。

 不調の原因がわかった。

 山田正紀、恩田陸著『読書会』(徳間文庫)を読んで、読書欲を刺激されまくる。SFやファンタジー小説は守備範囲外。読まずぎらいはいかんとおもいしらされた。
『ゲド戦記』はそんな話だったのか。目からウロコ。半村良や小松左京は、高校生くらいのときに読んでいたのだが、それっきり。
 この本の中に出てくる萩尾望都の『バルバラ異界』(全四巻・小学館)を書店に買いに走ったし、さらに『銀の三角』や『マージナル』も読み返した。

 ささま書店で福田恆存著『インテリかたぎ』(池田書店)を買った。あまり見かけない本かもしれない。収録されているエッセイは他の本に入っているものも多いのだが、手にとった瞬間、「ほしい」とおもってしまった。ビニカバ付の美本。

《ひとびとは世代の對立を圖式的に設定することによつて、じつはその圖式につごうのいゝように現實を眺めてゐる。が、現實は世代を考慮しない。なまの現實のすがたは、このような圖式をぶちこはすことによつて、はじめてぼくたちのまへに立ち現れるであらう》

 誰も生まれてくる時と場所は選べない。誰もが選べないことを公平と考えるか不公平と考えるかは意見のわかれるところだろう。
 わたしは〈バブル世代〉といわれる世代である。〈就職氷河期世代〉からすれば、恵まれた世代だとおもう。でも個人の実感はそうではない。

 わたしも団塊の世代に反発をいだいていた。上がつかえていると愚痴もこぼした。
 早とちりだったと反省している。

 世代間の格差は、拡大よりも縮小されたほうがいいとおもうが、制度や何やらかんやらが改善されるには時間がかかる。
 その日その日を楽しく生きる知恵や工夫も必要だ。図式にとらわれすぎると、日常の感覚を損なう。