……二十六日(日)、古本酒場コクテイルの二階で岡崎武志さんとトークショーは無事終了。
前の日、心配でよく眠れなかったのだが、当日、ルノアールで打ち合わせしているうちに緊張がほぐれた。
酒を飲んでいないのにいつもよりたくさん喋った。内容があったかどうかは自信がない。
フリーライターになる前の話(高校時代の級友のお兄さんがプロの漫画家と知って刺激を受けたこと)は話しているうちに、どんどん記憶が甦ってきた。その友人の家の様子やいっしょにホラービデオを観たことなども思い出した。
岡崎さんは(自分たちの時代は)情報が乏しくて、事前に仕事の厳しさをあまり知らなかったことが幸いしたのではないかというようなことを語っていた。これはほんとうに同感である。
「やってみなければわからない」というのは無責任かもしれないが、どんな仕事にもそういう部分がある。
かけだしのライター時代、役に立ったアドバイス(怒られたこと)は次の三つ。
・寝癖をなおせ
・破れた服を着るな
・眼鏡を拭け
あと自分の経験では、自信のない仕事を「できない」といって断るより、「できる」といって失敗したほうが、得るものが多かったとおもう。
「できない」といって断ったら、二度と依頼されない。まだ失敗した場合のほうが、再挑戦の機会をもらえる可能性が高い。
とはいえ、何でもかんでも「できる」といえばいいわけではない。
その匙かげんは、それなりに失敗して痛いおもいをしないとなかなかわからない。