2012/03/12

yumboとかえる科

……三月十一日、ボロボロの井草のラグを捨て、新しい敷物に買い替える。
 夕方、ひさしぶりに池袋往来座に行った。高円寺界隈でも話題の「名画座かんぺ」をもらい、蟲文庫の田中さんが表紙の『hb paper』を購入する。

 そのあと南池袋ミュージック・オルグでyumboとかえる科(細馬宏通、宇波拓、木下和重)のライブ(東日本大地震後延期になっていた『これが現実だ』リリース・ツアー)。

 京都で知ったかえるさんと仙台で知ったyumboを東京で見られるとは……願ってもない組合わせ。チケットも完売し、客席は超満席だった。わめぞの王子、Uさんとピアノの真裏で立って観る。

 かえる科(かえる目の三人バージョン)は、yumboの澁谷さんに合わせて(?)「街の名は渋谷」などを演奏。全体を通して音数の少なさに驚く(でもあまりそうかんじない)。WHAM!のカバーの「前のクリスマス」は笑いすぎて苦しくなった。

 yumboは同じ曲でも聴くたびに構成がちがう。音の足し引きだけでなく、ものすごく洗練された部分と不安定な部分がいりまじって、曲ごとに楽器が入れ替わり、「ケーキ」のときにかえるさんが登場したり、yumboとかえる科のセッションもあったり、見ていても聴いていても、次の展開がわからない。

 七〇年代のブラスロック風の「これが現実だ」で締め、アンコールの最後の曲は「家」(この選曲はたまらなかった)。ピアノの裏にいたおかげで音がそのままからだに響いてくる。詞もすっと入ってくる。

 四月の京都のライブも行きたくなった。