神田古本まつりで文庫一冊しか買わないというのはどうかとおもい、昨日も行ってきた。
最近、古本が買えないのは、テーマを絞りすぎているせいかもしれない。中年の本、野球の本、アメリカのコラム……。
この日は三冊ほど買ったが、読むかどうかわからない。
中古レコードやCDも、一九七一年〜七三年のアメリカのシンガーソングライターという縛りがあるせいで、まったく買えない日が続いている。予備知識なし、行き当たりばったりで探しているから、“一生聴ける一枚”を見つけるのは、ほんとうにむずかしい。まあ、そんなに簡単に名盤(自分にとっての)に当たれば、苦労はない。
そんな中、ビリー・マーニット『スペシャル・デリヴァリー』(一九七三年作品、一九九八年復刻、世界初CD化)は久々に会心の一枚だった。名盤探検隊ものだから、ハズレはないだろうとおもっていたけど、家に帰って聴くまで、こんなにいいとはおもわなかった。
レコードの発売から四十年、CDの復刻から十五年。気づくの遅すぎ……。
ライナーは渚十吾。文中、「友人でもある日本のロック・バンド、カーネーションの直枝政太郎くんと話していたときに、彼が『いいですね』といっていたくらい」という一文もあった。曲解説、けっこう厳しい。
ビリー・マーニットはピアノ&ボーカル。プロデューサーとリズムセクションは一九七三年デビューのトム・ウェイツと同じだそうだ。
トム・ウェイツが売れて、ビリー・マーニットのこのアルバムが大きな話題にならなかったのはなぜだろう。わたしはビリー・マーニットのほうが好みだ。ちょっと情けないかんじが。
本人のホームページを見たら、現在のビリー・マーニットの肩書は(Writer/songwriter/teacher/script consultant)となっていた。小説を書いていることもわかった。
読んでみたい。