2016/01/19

まじめとテキトー

 日曜日、ジャガイモとたまねぎが余っていたので、久しぶりに大きめの鍋でカレーを作る。カレーを作ると食べすぎて太るようになって、この一年くらいずっと小さな鍋で作っていた。

 明け方、雪がつもる。雪の日は睡眠時間がズレる。朝十時くらいまで眠れなかった。ニュースで高円寺駅の改札前が映っていた。中央線が間引き運転で、ホームから人があふれるのを避けるため、入場規制していたようだ。
 起きたら夕方。仕事と関係ない本を読みながら、部屋の掃除する。

……『望星』2月号の古書現世の向井透史さんのインタビュー「街と古本屋さんの関係」を読む。
 この四半世紀くらいの世の中の移り変わりについて、考えさせられるインタビューだった。すごく読みごたえがあった。

《昔はまじめにやっている古本屋とテキトーにやっている古本屋の差があまりなかったのですが、いまはテキトーにやっていたら商売になりません》

 テキトーにやっている人がそこそこ食えて、まじめにやっている人はそれなりに儲かる。理想はそうなのだが、現実はそうではなくなりつつある。だったら、まじめにやれよということになるのだが、みんながまじめになったら、まじめにやっていても食えない人が出てくるわけで……。

 これは古本業界にかぎった話ではなく、あらゆる仕事がそうなっている。
 まじめに生き残る努力していくか、まじめ競争から降りて独自路線でいくか。

 仕事(商売)でむずかしいのは、これさえできればうまくいくというやり方を続けていると、いつしか行きづまってしまうことだ。
 うまくいったやり方が、うまくいかなくなる境目みたいなものはどこにあるのか。

 自分の仕事に関していえば、まじめとテキトーがほどよく混ざっているかんじがいちばんしっくりくる。
 ベース(土台)の部分はまじめにやりつつ、どこかしらテキトーな部分を残しておく。

 向井さんがこれからやろうとしている方向性も興味深い。