2017/05/05

三重と京都

 二日(火)、新幹線で名古屋。近鉄に乗りかえ、四日市駅。四日市あすなろう鉄道(内部線)で内部駅に。わたしが乗った車両は座席が前向に一列(そうでない車両もある)でバスみたい。
 あすなろう鉄道は、軌幅が762mmのナローゲージの鉄道で五月一日が開業762日目で記念列車を運行中だった(五月七日まで)。
 昨年、あすなろう鉄道の終点の内部駅から平田町駅までのバスがあることを知り、いちど四日市駅〜内部駅〜平田町駅というルートで帰省してみたいとおもっていた。
 内部駅からのバスは一時間に一本。三十分待ち。十五分遅れでバスが到着する。バス停でひとり。心細かった。
 バスの乗客は三人くらい。終点に着くころには、わたしひとりになっていた。三交バス、大丈夫なのか。
 鈴鹿ハンターでゑびすやで天もりうどんを食う。二階の衣服店で靴下を買う。

 とりあえず、郷里の家に顔を出し荷物を置いて、夕方、港屋珈琲で一息。

 三日(水)、近鉄で京都へ。白子駅で特急に乗ろうとしたら満席。急行で伊勢中川駅まで行って、賢島駅発の特急の乗る(こちらは空いていた)。大和八木からは再び急行で丹波橋まで。けっこう時間がかかった。

 徳正寺の岡崎武志さんの還暦記念イベント。開始前から岡崎さんと山本善行さんの話が止まらない。事前に六十問のアンケートがあって、冊子にまとめていた。世田谷ピンポンズさんが、岡崎さんの詩の曲を歌う。さらに吉田拓郎の曲を急にリクエストされるも、堂々と歌いきる(大変だったとおもう)。
 ペリカン時代で知り合った詩が好きなS君も来ていた。最近、見かけないとおもっていたら、今年のはじめ、大阪に転勤していたことを知る。
 打ち上げは、CAFEすずなり。
 すずなりは昨年六月に行われた『些末事研究』の座談会以来。座談会に参加した東賢次郎さんも来ていて、再び「親子問題」の話に……。
 夜、扉野家に泊る。

 四日(木)、朝から扉野家の子どもとカードゲーム、将棋で遊ぶ。こんぶをのせたおかゆがおいしかった。
 みやこめっせの春の古書大即売会。春の古本市に行くのは六年ぶり。ここ数年、ゴールデンウィーク中はずっと仕事をしていた。
 高橋義孝著『随筆 大名の酒盛り』(新潮社、一九五五年刊)は、表紙に魚拓がつかわれている。新書サイズのきれいな本だ。
「名人一夕語」という随筆では「君が釣りの名人だといううわさが立つているぞと一友人が教えてくれた」という文章からはじまる。

 高橋義孝は友人と「やまべ」を釣りに行った。四人で二百尾ばかり釣った。そのうち高橋義孝が釣ったのは五匹——。

《この話が人から人に伝わつて、よく、『やまめを釣りに行つたんですつてね』といわれる。そういう場合、私は大抵『いや、どうも』とか何とかいつて済ませている。相手が、『やまめは人の影が水にうつると釣れないから、姿を隠して岩の上から』などといい出す時に限つて、『私の釣つたのはやまべです』と訂正するのである》

「やまべ」と「やまめ」は、わたしも釣りに興味を持つまではごっちゃになっていた。

 あと佐藤垢石著『垢石飄談』(文藝春秋新社、一九五一年刊)も買う。安かった。一九五〇年代の随筆ののんびりした味わいが好きだ。

 みやこめっせから京阪三条まで歩いて、篠田屋でうどんを食う。六曜社でアイスコーヒー。ここで体力の限界を痛感し、午後の新幹線で東京に帰る。
 夜、ペリカン時代で、世田谷ピンポンズさんと待ち合わせ。飲みすぎる。